電子書籍を出版する③ 構成その2


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紙の書籍と電子書籍の大きな違いは、1ページあたりの文字量です。

電子書籍は閲覧するのがスマートフォンなどの端末のため、1ページあたりの文字数は250〜300文字といったところ。そのため、全体の文字量が30,000文字ともなると、かなりの回数フリック(ページめくり)をすることになります。紙の本の場合、残りの紙の量で、読み終えるまでにどのくらいかかるかがわかりますが、電子書籍の場合は残りの量がわかりにくいため、かなり長く感じる場合が多いです(下に読み終えるまでの時間やパーセンテージは出ますが)。

 

そんな特性から、電子書籍についてはあまり文字量を多くしない方が良いでしょう。オススメは10,000〜15,000文字くらい。それより多くなる場合は、上下に分けるなどの工夫が必要でしょう。段落についても、紙の本であれば長く取っても問題ありませんが、電子書籍の場合、あまり長い段落は読むのがキツいことがあります。

 

また、ずっと文字が続くよりも画像やイラストなどが入った方が、断然読みやすくなります。可能であれば、各小見出しの間に1〜2枚の画像が入れられるといいですね。画像は拡大(ピンチアウト)できるとしても、あまり小さい場合は、見えにくくなるため、なるべく文字が入らない画像で、画面いっぱいになるようにサイズ構成を心がけるようにしたいところです。

 

■EPUBが変えた電子書籍■

 

以前は「横組み」のみだった電子書籍ですが、2011年からは「縦組み」も可能になり、日本語の本が作りやすくなりました。この点が、日本で電子書籍が普及し始めた要因でもあります。

これは、電子書籍のファイルフォーマット規格の1つEPUBの最新メジャーバージョンである「EPUB3」がリリースされたことで、可能になりました。

 

ちなみに「EPUB」とは、IDPF(International Digital Publishing Forum:国際電子出版フォーラム)と言う電子出版・電子書籍に関わる国際的な標準化団体が仕様を策定し、普及促進しているもので、「EPUB3」は2011年にリリースされました。それまでのEPUB2からEPUB3にアップデートされ、一番大きく変わったのは、日本語組版を中心とした縦組みや、右から左へ文字が書かれる言語、例えばアラビア語・ヘブライ語にも対応しました。

 

■日本語が読みやすくなった電子書籍■

 

縦組みのほかにも、縦組みの文書の中で横組みする「縦中横」や、日本語の文書作成・組版において、「約物などが行頭・行末などにあってはならない」などとされる禁止事項で、それらを回避するために、字詰めや文の長さを調整したりする「禁則処理」などもサポートされました。句読点(。、)や閉じ括弧(」』)】などの約物が行頭に来ると、見た目が悪くなるほか、読みにくくなったり、文意を取り違える原因になりますからね。また「ルビ」も使えるようになり、日本語の読みやすさがアップしています。

 

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また、各種アプリの機能も充実しており、文字の大きさや画面の明るさを変えられるほか、線が引けたり、付箋が貼れたり、書き込みができるものもあります。最低限の構成をしておけば、あとはアプリや端末でユーザビリティーを上げることができるのが、電子書籍の利点です。電子書籍でどんどん本を出版しましょう。

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