『我は日本人なり』〜元外交官が伝える 海外へ渡っても祖国愛を持ち続けた 二人の日本人〜
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2020年東京でのオリンピック開催が決まり、日本はオリンピックムードに湧いていますね。
東京都心部では宿泊施設などの建設が進み、道路などのインフラも急ピッチで整備されいくでしょう。コンパクトでスマートなオリンピックと謳われた東京オリンピックは、果たしてどんな大会になるのでしょうか。
今を遡ること53年前の1964年、同じ東京の地でアジア地域で初めてのオリンピックが開催されました。
第二次世界大戦で敗戦後、急速な復活を遂げた日本。その日本が再び国際社会の中心に復帰するシンボル的な意味を持つオリンピックでした。この東京オリンピックに、一人の日系人が大きく関わっていたことをご存知でしょうか?
その人の名は「フレッド・和田・勇」
ワシントン州ベリングハムで、小さな食堂を経営していた夫妻の元に生まれた和田氏。幼少期から苦労が絶えない生活を強いられながらも、21歳の時には自ら事業を起こし、日系人社会で一躍注目されるようになります。その後、太平洋戦争が勃発。アメリカ西海岸に住む日系人の強制収用を逃れるべく、近隣市民とともにユタ州へ集団移住し、荒れ地を開拓して農業を始めるも、そこでもまた苦労の日々を過ごすことに。戦後はロサンザルスで青果店を開き、きめ細かい顧客サービスで順調に事業を伸ばしていった実業家です。
1949年、敗戦の色が残る日本が国際水泳連盟に復帰加盟し、全米水泳大会への日本人選手の出場が実現。その際には、自ら申し出て日本人選手団に自宅を提供して選手たちを支えたことで、日本水泳チームは、世界記録を次々と打ち破り、9種目で世界新記録を樹立。その後の昭和33年(1958年)、日本水泳連盟会長から、1964年に東京でオリンピックを開催したいという話を聞かされた和田氏は、東京オリンピック準備招致委員会委員に選ばれ、妻・正子と二人きりで中南米10ヵ国を行脚し、東京支持票を取りまとめ、東京にオリンピックを招く原動力となりました。
TVドラマにもなったこのフレッド・和田・勇氏の生き様を、元外交官で、現在は一般社団法人国際文化教育協会理事長である竹元正美氏が伝える作品『我は日本人なり』〜元外交官が伝える 海外へ渡っても祖国愛を持ち続けた 二人の日本人〜が、オモイカネブックスよりリリースされました。
東京をオリンピックを控えた今、日本をとことん愛し、戦後日本に自信と誇りを取り戻すきっかけを創ってくれた日系人がいたことを、私たちは改めて知っておく必要があるのではないでしょうか?
そして、もう一人の日本人が「杉本鉞子」
旧長岡藩の家老職を勤めた家に生まれながら、父が幕末に藩の役職を追われ、明治になり禄と格式は失い、厳しい暮らしを余儀なくされることに。しかしながら、一家の日常にも地域の暮らしにも、まだ維新前の風俗習慣は色濃く残っており、そのなかで成長した鉞子は、江戸期の武家の躾や物の見方を身につけてゆきます。
そんな中、父親の死をきっかけに、家族の運命は大きく変わっていきます。12歳になったある日、兄の友人との縁談が決まり、彼女はアメリカへ嫁ぐことになります。渡米までの間、入学した東京のミッション系の女学校で、西洋人教師たちの考え方に引かれ、西洋の文化慣習を学んだ鉞子氏。渡米後も自分の根幹にある武士の娘としての精神と、西洋の見慣れない文化に触れることで、自らの類稀な価値観を形成していきます。
その後は家族の事情により、アメリカと日本を行き来し、晩年生活の糧のために新聞・雑誌に投稿を続けたものが、作家クリストファー・モーレーの目に留まり、それをきっかけに日本の生活を紹介した『武士の娘』を、雑誌『アジア』で連載スタートさせました。さらに、コロンビア大学の教壇で日本語と日本史を、日本人女性としてはじめて教え、戦争をはさんで、『武士の娘』以降3冊の本を書いた鉞子氏。その生涯を閉じるまで彼女は日米の架け橋となりました。
2020年の東京オリンピックに向けて、ますます国際色が豊かになっていく日本。その中で、私たちはどう暮らし、どう振る舞えばいいのか、そんなヒントを鉞子氏がくれるかもしれない。
『我は日本人なり』〜元外交官が伝える 海外へ渡っても祖国愛を持ち続けた 二人の日本人〜(竹元正美 著)は、オモイカネブックスより発売中です。
ご購入はこちらから
https://omoikanebooks.wixsite.com/iamjapanese
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