本当に活字離れは進んでいるの?

公開日: : 出版社, 図書館, , 本の電子化, 電子書籍

週末に友人が訪ねてきて我が家に宿泊し、本屋さんへ行きたいという娘に連れられてみんなで近所のイオンへ。日曜日とあって、広い広いイオンの中はどこもいっぱい。本屋さんも、どのコーナーにも人がぎゅうぎゅう詰めの状態で、座って読めるスペースも満席、レジ前に長い列ができるほど。そんな様子を見ていて、長いこと言われている「活字離れ」って本当なのかな?と思いました。

そこで調べて見たらこんなデータがありました。

 

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平成28年度文部科学省による「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」で、学校のある日(平日)にどれくらい本を読んでいるのだろうか?というものです。これで見ると、小学生・中学生では、平日に読書をまったくしない児童・生徒は1~2 割。約 5~6 割は1日に30分未満の読書をしています。高校生になると、平日に読書をまったくしない生徒の割合が4割以上になります。

 

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また不読率はどれくらいだろうか?という調査では、小学生では1か月に5冊以上読む児童が半数を超え、不読率は1割未満。中学生の不読率は約1~2 割、高校生(普通科高校の生徒)では約3~4 割の水準となっています。文部科学省「第三次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」では、全国学校図書館協議会の学校読書調査を参照し、「1カ月間に1冊も本を読まなかった『不読者』の割合」を「不読率」と呼んでいます。そしてここで言う「本」とは、「お話などのよみもの」や、「何かを調べるための図鑑や事典など」を指すこととし、紙の本以外に、パソコンやタブレット端末、スマートフォン等で読める本(電子書籍)を含むものとしいて、マンガや雑誌、新聞、教科書や参考書は含まないこととなっています。

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こんなデータもあります。活字離れが叫ばれて久しいですが、実は小中学生では読書冊数は増えているんですね。この読書冊数の上昇傾向は、2000年前後から始まっています。その背景にあるのは「朝の読書活動」いわゆる「朝読」。朝の時間帯に5~15分程度の読書時間を設け、生徒に読書の習慣を持たせるという活動で、文部科学省が2001年に「朝の読書活動の推進」方針を掲げたことから、多くの小中学校で導入されたものです。我が家の娘も「朝読」で本を読むのが楽しいっていってたなぁ。学年が上がるほど不読率が増えていますが、中高生では部活や受験勉強があるので、読書に割ける時間が少なくなるのでしょう。

じゃあ、何で「活字離れ」と言われるのか?出版業界における新刊の販売数が落ち込み、相次ぐ書店の閉店により業界が縮小している中で、メディアや出版業界にとって「本が読まれなくなった=活字離れ」ということになっているのではないでしょうか。また「本」を「紙の新刊」と考えた場合、中古本や電子書籍、青空文庫などの無料コンテンツは「本」に含まれないですからね。スマホによって本が読まれなくなったという話もよく聞きますが、それもどうなのか疑問です。スマホの誕生で無料で様々な情報やコンテンツを取得できるようになり、簡単にネットにアクセスできるようになることで、読書の形態、環境が大きく変化しており、それにより紙の本を読まなくなったということは考えられるでしょうね。

文部科学省のホームページに

読書することは、「考える力」、「感じる力」、「表す力」等を育てるとともに、豊かな情操をはぐくみ、すべての活動の基盤となる「価値・教養・感性等」を生涯を通じて涵養していく上でも、極めて重要である。

本を読む習慣、本を通じて物事を調べる習慣を、子どもの時期から確立していくことの重要性が、あらためて認識される。また、そのためには、学校教育においても、家庭や地域と連携しながら、読書の習慣付けを図る効果的な指導を展開していく必要があり、とりわけ学校図書館がその機能を十全に発揮していくことが求められる。

とあります。

AIスピーカーに本を読んでもらう時代になりました。今後のさらなる技術革新により、目の前にディスプレイが現れて、手も使わずに目線の移動でページがめくれるようなデバイスが登場するかもしれない。読書の形態はこれからも変わっていくでしょう。その中で、朝読によりせっかく身についた読書の習慣をなくすことがないよう、出版業界、図書館、さらには家庭や地域も一体となって、デジタルと紙の枠を超えて読書について考えていく時ではないかと思いますね。

 

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