さらに多様化する読書環境

公開日: : 図書館, 本の電子化, 電子図書館, 電子書籍

増加する電子図書館の導入

みなさんは図書館を利用しているだろうか?
図書館は図書、雑誌、視聴覚資料、点字資料、録音資料等のメディアや情報資料を収集、保管し、利用者への提供等を行う施設もしくは機関ですが、昨今はカフェや書店とのコラボなど、様々な新しい取り組みが実施されている。今までの公共図書館では考えられないですね。
最近ウェブで話題になっている電子図書館。日本ではまだ20箇所程度の電子図書館だけど、実はここ1、2年でその候補先がどんどん増えているという。

特によく見るのが兵庫県神戸市と大阪市。
神戸市はインターネットを通じた電子図書の無料貸し出しサービス「KOBE電子図書館」をこの6月にスタートした。電子図書館は図書館に直接行く必要がなく、いつでも借りられることなどがメリットだ。2年後の2020年には小学3年生から英語が必修になるのを見据えて、親子で楽しめる英語の絵本などをそろえている。利用するにあたっては、専用のIDとパスワードが必要で、市内11館の市立図書館の窓口で発行される。コンテンツである電子書籍は、レンタル後にスマートフォンやパソコンなどを使って読むことができる。貸し出しは1人3冊までで、2週間で自動的に返却される。実際の図書館と同様に貸し出し中の図書は借りることができない。コンテンツの設定によっては、1冊を複数人が借りることもできる。貸し出しの対象となる書籍がどのくらいかるかというと、著作権が切れた青空文庫の文学作品が約1万冊のほか、ディズニーの人気作「アナと雪の女王」などの英語作品が約500冊、料理本や健康に関する本、小説などの一般図書が約1千冊あるという。今後さらに1,500冊を増やす予定とのこと。

大阪市も同様のシステムを導入している。
大阪市の図書館カードを持っている人は、計24ある各市立図書館の窓口で専用のIDとパスワードを受け取ることで、スマートフォンやパソコンから、約40,000点の和書、160万点以上の海外コンテンツからレンタルすることができる。大阪市は電子図書館導入の目的を「ICTを活用した読書習慣の醸成・普及と、英語学習に資すること」と位置づけているそうだ。

活用範囲は学校図書館へ

神戸市、大阪市いずれもが導入しているのは、「Rakuten OverDrive」という電子図書館システムだ。日本ではまだまだこれからの仕組みであるが、北米ではすでに15年以上の歴史がある。日本では未だ電子書籍の販売や、既刊本の電子化、電子図書館の仕組みが進んでいない状況だが、米国ではすでに電子書籍関連について15年以上の歴史があり、様々な取り組みがなされてきた。特に日本のように再販制度がない米国では、全国どこでも同じ価格でそれも低価格で本が手に入るという環境がなく、さらにその国土の広さから図書館までの距離がかなりあるため、電子図書館の導入が一気に進んだという経緯がある。日本では現在公共図書館のほか、私立大学・高校などの学校図書館への導入が盛んに検討されているようだ。

ちょっと前に大手出版社が、小説などを図書館に置いてしまうと売れなくなるという話をしていたが、本当にそうだろうか?もちろん、数万部、数十万部を売るベストセラー作家の本であれば、図書館よりも店頭に平積みした方が収益は得られるだろう。しかしながら、全ての本がそうとは言い難いと思う。むしろ、図書館、電子図書館、A社の読み放題サービス、献本、SNSなどを使って、どんどん読者の目に触れるような施策をした方がいいのではないかと思う。日本人は特に本に対して占有欲を持っていると思うので、電子図書館で読んだ本の紙版を購入するということは十分に考えられる。

売れることはもちろん大事だ。しかし、出版不況と言われて売れない売れないと嘆くなら、新たな仕組みを十二分に活用して、活路を見いだすのも悪くないと思う。いよいよ混沌としてきた出版業界事情。生き残りに必要なのは、柔軟性と実行力かもしれない。

 

 

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