国境を越えたたくさんの笑顔に包まれて

 

以前この記事でも紹介した、rocoこと佐々木博子さん。
http://www.g-rexjapan.co.jp/omoikaneproject/2018/05/30/post-3294/

rocoさんは、2008年から「世界の多様な文化や、外国人から見た日本の魅力を伝えたい」という想いで、日本に住んでいる留学生や元留学生、さらには各国の大使にもインタビューし、インターネットラジオ番組で放送している。昨日そのラジオの10周年記念イベントが催された。六本木にある国際文化会館で開催されたイベントには、こ駐日サンマリノ共和国の特命全権大使マンリオ・カデロ閣下のほか、Google米国本社元副社長 村上憲郎氏、これまでインタビューされた留学生や元留学生のほか、rocoさんを愛する多くの方がお祝いに訪れた。

rocoさんが10年でインタビューした相手の数は120名を越える。単純計算すれば月に一人のペースで話を聴き、母国のことをインターネットに乗せて紹介する場を提供してきたことになる。多くの留学生はたった一人で極東の国日本を訪れ、寂しい思いをすることもあるだろうし、国を背負って来ているというプレッシャーも少なからずあるだろう。そんな時に母国のことや日本での暮らしについて一所懸命聴いてくれるrocoさんは、心の拠り所になるだろう。だからこそ、多くの人たちがイベントにも列席したのだと思う。人徳以外の何物でもない。

国境を越え笑顔を生む音楽

イベントは、とにかく楽しく国際交流をしようというコンセプトの通り、歌あり楽器の演奏あり、そして軽快なおしゃべりありで、文字通り楽しいものだった。演奏や歌は留学生、元留学生のみなさんが披露し、そのクオリティの高さにみんな驚いた。演奏については、台湾の方の二胡、モンゴルの方の馬頭琴、そしてキルギスの方のコムズと口琴といったその国の伝統楽器で行われ、その音色にみんな酔いしれた。キルギスのみなさんは民族舞踊も披露し、軽快なステップと独特のリズムそしてしなやかな手と肩の動きが特徴的で、これは全員参加で踊った。会場には一体感が生まれみんなが笑顔になる。その後の交流では、それまでよりもずって和やかなムードとなり、会が終了してもなお話が尽きることはなく、名残惜しい雰囲気が続いた。

rocoさんの場づくりが奏功したのだと思うが、それにはやはり音楽の影響力が強いのだろうと思った。民族楽器が発する不可思議でありながら心に響く音色は、どこか懐かしく聴く者を魅了した。特に馬頭琴で奏でられた「ふるさと」を、演奏に合わせて歌った時などは、僕たち日本人にとって特に胸に沁みるものだったと思う。さらに舞踊については、自分の体ひとつあれば見よう見まねで演者と一緒に踊ることができる。演者が笑顔で迎えてくれれば、こちらも自然と笑顔になる。

本の力で相互理解を目指す

音楽は国境を越えるという言葉を、最近よく耳にするようになった。日本の演歌やポップスは軽々と国境を越え、ペルー出身のマリアさんが自慢の喉で演歌を披露すれば、イタリア出身のリゴさんは、徳永秀明氏の楽曲をときに優しくときに力強く唄いあげた。そして僕たち日本人はそんな海外出身の人々のパフォーマンスに歓喜する。いま世界は国家間の様々な問題を抱え、腹の探り合いや牽制を繰り返してる。一触即発状態のところもあれば、長きに渡り紛争を繰り広げている地域もある。昨日のイベント会場には様々な国の人がいた。しかし誰もいがみ合うことなどなかったし、互いを尊重し笑顔で楽しい時間を過ごした。

連日流れる海外の国々の耳や目を覆いたくなるようなニュースの数々。ややもすると、「あの国は危険な国」「日本のことを敵視している」「あおの国の人とは関わりたくない」そんな風に思ってしまいがちだ。しかし本当にそうだろうか?市民レベルに立った時、その国の人たちはどんな人たちなのだろうか?きっかけがあれば、悪しきニュースが流れる国の人たちの本質を知ることができる。それは音楽を通じた交流かもしれないし、たまたま手にした本なのかもしれない、さらには偶然行くことになったイベントかもしれない。音楽については、たくさんの人たちが国境を越えて交流を深めようと頑張っている姿を見ている。僕たちは「本の力」で国境を越えた交流と、相互理解を実現してみたい。
rocoさんのイベントで見たような笑顔を、僕たちもたくさん生み出していきたいと思う。

関連記事

留学生から「世界」を学ぶ

2018/10/15 |

世界を知るのに留学生との交流は最高だ トルコの首都は「イスタンブール」ではなく「イスタンブル」だそ...

記事を読む

音楽と情熱と障がい児福祉

2018/06/10 |

最近、僕が気分を上げたい時に聴いているのが「パイロットになりたくて」という楽曲。「頑張れポンコツ車〜...

記事を読む

電子書籍を世界の架け橋に

2018/06/15 |

4年に一度の祭典ワールドカップが開幕となった。 僕は日本人。だからもちろん日本代表を応援してい...

記事を読む

音楽が導く世界の相互理解

2017/07/19 |

  ■歌い継がれる人類の財産■ 僕は小学生の頃、少しだけ詩吟を習ってい...

記事を読む

  • スマートブックス
  • 科学で考えるごみゼロの未来
    出版社 : オモイカネブックス(2018/9/15)
    広瀬立成(著)
    ¥480 (電子版)

  • 日本列島ダニさがし
    出版社 : オモイカネブックス(2018/5/13)
    青木淳一(著)
    ¥600 (電子版)

  • KARADAチューニング
    出版社 : オモイカネブックス(2018/3/19)
    外薗明博(著)
    ¥600 (電子版)
    ¥1,260(ペーパーバック版)

  • 障がい者アートの未来を探して
    出版社 : オモイカネブックス(2018/2/1)
    熊本豊敏(著)
    ¥600 (電子版)

  • 建築神殿論
    出版社 : オモイカネブックス(2017/12/25)
    武田暁明(著)
    ¥600 (電子版)

  • 我は日本人なり
    出版社 : オモイカネブックス(2017/6/26)
    竹元正美(著)
    ¥600 (電子版)

  • おみず
    出版社 : オモイカネブックス(2017/4/1)
    AKI (絵・作)
    ¥840 (電子版)

  • 国境を越えたサムライ先生
    出版社 : オモイカネブックス(2017/2/21)
    外薗明博(著)
    ¥600 (電子版)

  • 島嶼見聞録
    出版社 : オモイカネブックス(2017/2/19)
    木越祐紀子(著)
    ¥480 (電子版)

PAGE TOP ↑