日本の技術と心を電子書籍で世界へ発信

公開日: : 最終更新日:2019/01/26 企業出版, 出版, 本の電子化, 電子書籍

日本の技術の粋が光る介護産業展

国の成長戦略の一環として、健康寿命延伸産業の活性化に向けた取り組みが推進されている。1/23〜26まで東京ビックサイトで開催されている「健康博覧会」に行ってみた。本展はこの「健康寿命の延伸」をテーマとした、健康産業最大のビジネストレードショーだ。

機能性表示食品、サプリメント(関節/ ロコモ対策、アイケア、脳機能、メンタルケア/ 安眠、整腸/ 健胃、免疫、ダイエット/ メタボ対策、栄養補給など)、健康志向食品(健康茶、健康飲料、健康菓子、健康油、健康調味料 など)を展示した「健康食品・サプリメント展」、ヘルスチェック機器・グッズ、ヘルスケア機器・グッズ、健康管理システム・アプリ、健康経営サポートサービス、温熱・温浴装置、空気清浄器、加湿器、浄水器、整水器、水素関連商品、機能性衣料、寝具、ジュエリー などの「健康機器展」、美容機器・グッズ、化粧品、スキンケア・ボディケア・ヘアケア商品、アロマ、美容サプリ・ドリンク、ダイエット食品、美容サポート衣料、化粧品OEM/ 原料、容器/ パッケージなどの「ビューティ&エイジングケア展」など、様々な健康・美容に関する展示がされていた。

それと併設して開催されていたのが「介護産業展」
こちらは介護施設向け設備・備品・サービスの商談・導入相談を目的としたBtoB商談展だ。介護保険からの給付対象となるサービスの市場規模は、2000年の介護保険制度スタート以降右肩上がりで推移している。2025年度には15兆円強になると予測されている。年度内最後の仕入の場として、多くの介護従事者、医療従事者訪れていた。介護用品から、介護予防やリハビリ用品、配食サービス、見守りシステム、アプリ、介護ロボットまで、あらゆる商品やサービスが紹介されており、とても1日では回りきれない豊富さだ。どれも日本が世界に誇れるものであり、こういった商品やサービスこそ、電子書籍で出版し世界に発信したいと思う。

以前は器具やツールが多かったが、今回はVRやAIを使ったサービスや、スマホアプリが目についた。介護福祉の現場もどんどん進化しているんだなぁと感心した。その中で気になったのが、「Air Clipper」という商品。この商品は「髪の毛が落ちないバリカン」して特許が出願されている。開発したのは、有限会社ディ・アイ・シー代表の定信ふみ子さん。昭和61年にヘアーサロンを開業し、その1年後から出張理美容サービスを開始。7年後にビューティーサロンを開店し、在宅向け出張理美容を開業した。現在は50件以上の施設に出張しており、月間約1,700人、年間約2万人の調髪を行なっている。理容師さんの中には、同数の調髪をしている方もいるだろう。しかしながら、施設にいる要介護者の方や、障がいを伴う方の調髪をしているという点が、定信さんの最大の特徴だ。

技術の進歩は人の想いから

バリカンを特許出願する際に、その無骨なデザイン(ご本人談)や、バリカンの今更感から、なかなか受け入れてもらえなかったという。しかしその仕組みと見ると、いかに定信さんが高齢者介護や障がい者支援の現場に足を運び、そこで不具合や課題を経験しているかがよく分かる。認知症や精神障がいの方の調髪は常に危険が伴う。急に手を振り上げたり、体を動かすことがあるからだ。万が一ハサミを体に刺してしまうようなことがあれば、怪我では済まないかもしれない。そのため、介護従事者が車椅子に移乗し、体を支えたり、手を振り上げたりしないよう注視している必要がある。それは人材不足が叫ばれる介護福祉業界において、とても非効率なことである。介護度が高い高齢者の方やにとっても、身体への負担が大きい。だからこのバリカンなのだという。ベッド上で寝たまま長髪が可能で、切った後の髪からフケなども全て掃除機で吸い込むため、掃除の必要もない。まさに現場の課題を知り尽くした製品だ。

定信さんは言う「現場に行かなければ、たくさんの方と接しなければ、分からないことがいっぱいないんですよ。ただ髪を切るだけじゃなく、いかにみんなに負担がなく喜んでもらえるかを考えないと。」
最初は不安そうにしていたご婦人が、調髪の後にブローをしてもらった自分を鏡で見て、「また嫁に行けるかね?」と照れ笑いする動画が印象的だった。定信さんのバリカンは、人を想う心が具現化されたものなんだと実感した。

技術やサービスは日進月歩で新たなものが世に出てくる。それを要介護者や介護者の家族、介護事業従事者などが、シチューションに合わせてうまく活用することで、身体や精神の負担を大きく減らすことができるだろう。しかしながら、昨日話をさせてもらった全ての人から感じるのは、人が人を想う心。どんなに技術が進もうと、おそらくこれがホスピタリティの源であることは変わらないと思う。こればかりはまだまだAIには難しいだろう。シンギュラリティーが叫ばれる昨今、人間はAIと別の道で力を発揮していきたいものだ。

有限会社ディ・アイ・シー
https://www.dic-houmon.com

日本の技術、サービスはもちろん、人の心その根底にある民族性も含めて、電子書籍にして世界へと紹介したいと改めて実感した。

 

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