現代文化のルーツを探る⑦ カレー

公開日: : 現代文化のルーツ

皆さんこんにちは、オモイカネブックスの岩瀬です。
オモイカネブックスは、日本の文化や歴史、習慣などを世界に発信する出版メディアとして活動しています。

今日の現代文化のルーツを探る旅は「カレーライス」

皆さんカレーは好きですか?
僕が子どもの頃、我が家は日曜日がカレーの日でした。サザエさんを見ながらカレーを食べるのが週末の楽しみでしたね。当時は市販のカレールウを買ってきて、お馴染みの野菜であるタマネギ、ジャガイモ、ニンジン、豚肉と煮込んだ、日本の食卓でよく見るカレーを食べていました。今やいろいろなカレーがありますよね。カツカレーやシーフードカレー、チーズカレーやスープカレー、さらには全国各地のご当地カレーといったように、一口にカレーといっても、様々なアレンジが加えられた独自のものがたくさん出ています。さすがアレンジ大国日本ですね。

そもそも、カレー自体が日本発祥の食べ物ではないんですよね。
日本のカレーの歴史を紐解くと、18世紀インドからイギリスに伝わるところからスタートします。インドは当時イギリスの植民地で、インドのベンガル地方の総督だったイギリス人が、母国にカレーを紹介したと言われています。インドのカレーは何種類ものスパイスを使って肉、魚介類、野菜などあらゆる食材を煮込んだスパイス料理です。僕たちがカレー粉を使って作るカレーとはだいぶ違うものですね。今やショッピングセンターのフードコートでも、インドやバングラデシュのカレーが食べられますが、日本のいわゆるカレーライスと比べるとさらっとしたスープのような感じですね。そしてたくさんのスパイスの香りが漂っています。

インドからイギリスにカレーが伝わった当初は、このスパイスを使った煮込み料理でした。もちろんカレー粉というものはなかったわけですが、19世紀になってあらかじめスパイスを調合した「カレー粉」がイギリスで初めて作られました。その後これが商品化されて、カレー粉と小麦粉でとろみを出したイギリスのカレーが家庭料理として普及していきました。そしてこのイギリス式カレーが日本に伝わるのです。

イギリスから日本にカレーが伝わってきたのは、日米修好通商条約が締結された翌年安政6年(1859年)に横浜港が開港した時だといわれています。
日米友好通商条約が結ばれ、日本に西洋の商人たちが入ってくると、彼らの使用人などを通じてイギリス式のカレーが日本に伝えられました。明治5年(1873年)には「西洋料理指南」と「西洋料理通」という本で「カレー粉」を使って小麦粉を入れてとろみを出す調理法が、日本で初めて紹介されています。ここでは牛肉や鶏、海老、鯛、牡蛎、蛙などを使ったカレーを紹介しているんですね。蛙も使っていたとは驚きです。

 

明治6年(1874年)には、日本陸軍の将校を養成する学校で、土曜日の昼食に「ライスカレー」が提供されるようになります。その後、日本は日清・日露戦争に突入していきますが、海軍では肉と野菜がバランス良く取れる食事としてカレーを採用したそうです。
明治41年(1908年)にはイギリス海軍を模範としていた日本海軍がイギリス式のカレーを採用。この頃、炒めた小麦粉を使ったカレールーを使ういわゆる「日本式のカレー」が完成したといわれています。日露戦争後、復員した兵士が全国にカレーを伝え、日本各地の家庭へと広まっていきました。ちなみに、現在でも海上自衛隊では毎週金曜日をカレーの日と定めていますね。

大正12年には、現在のエスビー食品が日本初となるカレー粉の製造に成功して、洋食屋さんやレストランだけでなく、一般家庭でも手軽にカレーが食べられるようになりました。現在では固形のカレールーやカレーの粉、スパイスを調合するタイプ、そしてレトルトカレーなどさまざまな製品が愛用されていますね。

カレーグランプリも開催されるほど、カレーが好きな日本国民。そのルーツはインドから始まり、イギリスでアレンジされたものを、さらに日本人が上手に日本式に発展させたものだったんですね。いま僕たちが食べているカレーの原型を、幕末の人たちも食していたと思うと、ちょっとロマンがありますね。では、またルーツを探る旅でお会いしましょう!

 

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