今年は鬼にもやさしくしませんか?「鬼は内、福は外」

公開日: : 昔話, 未分類

ハロウィーンが終わるとクリスマスケーキ、クリスマスのあとはお正月料理やおせち、そして三が日が過ぎる頃には恵方巻き、バレンタインチョコと、日本のコンビニやスーパーは毎月目まぐるしく商品が変わっていきますね。それも和洋関係なく。今はもっぱら恵方巻きがメインでしょうか。

私は恵方巻きはまったく食べないのですが、関西の方では昔から食べていたそうですね。毎年廃棄の問題が取り沙汰されていますが、なるべく食ロスは減らしたいものです。

節分といえば豆まきですね。
皆さん、なぜ節分に豆をまくかご存じですか?

立春を1年のはじまりである新年と考えると、節分は大晦日にあたります。
平安時代の宮中では、この大晦日に陰陽師らによって旧年の厄や災難を祓い清める「追儺(ついな)」の行事が行われていました。
方相氏(ほうそうし)と呼ばれる鬼役が手下役の役人を引き連れて宮中をまわって、厄を払うというもの。方相氏とは鬼神(きじん)のことで、金色に光る目を四つもち、朱色の衣装を着て盾と矛を持つという、なんとも恐ろしい風貌をしていました。

当初は悪鬼(あっき)を祓う善神(ぜんじん)でしたが、9世紀ごろになると、その風貌もあってか逆に悪鬼と見なされるようになり、弓矢で追われるようになってしまいました。鬼は疫病の象徴で、疫病を弓矢で追い払うことで、病気の流行を封じ込めようとしたんですね。

(出展)wikipedia

豆をまくようになったのは、室町時代といわれています。もともと中国明時代の風習が日本に伝わったもので、年男が「鬼は外、福は内」と言いながら、炒った豆をまきます。なぜ豆をまくのかについては諸説ありますね。大豆は米や麦と同じくらい重要な穀物として扱われていて、魔除けや生命力に関する霊力が込められていると考えられていました。このことから、お祓いなどの行事などでは大豆がよく使用されていたという説があります。

また、豆は「魔を滅する」ということで、無病息災を祈る意味を持つとされています。その昔、京都の鞍馬に鬼が出たとき、毘沙門天のお告げによって大豆を鬼の目に投げつけたところ、鬼を退治できたという話が残っていて、「魔の目(魔目=まめ)」に豆を投げつけて「魔を滅する(魔滅=まめ)」ことが出来たといった説もあります。豆まきには炒った大豆を使いますが、これは生の豆を使うと、拾い忘れた豆から芽が出てしまうと縁起が悪いからと言われています。また、鬼は「木」「火」「土」「金」「水」の陰陽五行説の「金」にあたり、この「金」の作用を滅するといわれる「火」で大豆を炒ることで、鬼を封じ込めるという意味もあるといいます。

節分の豆まきは、厄を払い病気の流行を封じる大切な行事なんです。コロナ禍の収束が見えない中、家族みんなで豆をまいて厄と疫病を祓い、気持ちも新たに新年を迎えたいですね。

さて、今日は節分にまつわる昔話をご紹介しましょう。
一般的には豆まきの際に「鬼は外、福は内」という掛け声をかけますが、今年は「福は外、鬼は内」と掛け声をかけてみようと考えた夫婦のお話です。夫婦が「福は外、鬼は内」と言いながら豆をまいていると、、、。

おにはうち、ふくはそと

むかしむかし、あるところにとても貧しい夫婦が住んでいました。
節分が近づいた頃、夫が言いました。「そろそろ節分がくるけど、今年から『福は内、鬼は外』っ言うのをやめたいと思うがどうだろう?」それを聞いて妻は、「おや、どうしてですか?」と聞き返しました。すると夫が、「節分には全部の家から『鬼は外』って言って豆をぶつけられている鬼が、なんだかかわいそうになった。」と言うのです。

「おやおや、どうしてそう思うのですか?」と妻が聞くと、「去年は作物が不作の年だったのに、年貢は払うしかなかった。この村でも食うや食わずの家はいっぱいある。うちも貧乏暮らしだ。天気に嫌われ、役人にいじめられ、泣きたい、逃げ出したいと何度も思った。鬼だってみんなから豆をぶつけられて、泣きたいだろうに。節分の日は、鬼も俺らと同じ気持ちじゃないかと思ってな。」と夫が答えました。

「そう言われればそうですね。それなら、今年からはどうしましょう?」と妻が尋ねると、「みんなとはちがった家が一軒ぐらいあってもいいだろ。うちは『福は外、鬼は内』って言ってやるろう。」と夫が言いました。「どうせ福は来そうにないから、そうしますか。」と妻は笑顔で答えました。

そして節分の日が来ました。あちこちの家で「福は内、鬼は外、福は内、鬼は外、」という声が聞こえてきます。鬼たちは「イテテッ、イテテッ」と逃げまどっています。
そんな時、ある家から「福は外、鬼は内」と聞こえてきました。あの貧しい夫婦の家です。

鬼たちは、「なんてありがたい家だ!」と喜んで家の逃げ入りました。
そして家の中にいた夫婦に、「いやぁ、ありがたい。
今晩は世話になってもいいだろうか?」と聞くと、「うちは貧乏でなんにもないけど、お茶でも飲んでひと休みしていってくれ。」と言いました。

すると鬼の一人が 「お茶より酒がいいな。今から出すからあんたも呑め。」と言って、打出の小槌を降りました。
するとどうでしょう、酒やごちそうやがどんどん出てきました。

節分の夜に、宴会の声が聞こえてくるものだから、隣のおじいさんが何事かとやって来ました。
貧しい夫婦の家を覗いてみてびっくり、鬼たちが酔払って大宴会をやっています。

おじいさんは、夫を手招きして呼び、「鬼なんか家に入れて正気か?お前たち大丈夫か!?」と聞きました。
すると夫は、「おれは正気だ、大丈夫だ。」と言って笑っています。

それを聞いた鬼たちが「なに!!しょうき様*だとぉ!?」と叫んで慌てています。
「こりゃ大変だぁ。ここの夫は、しょうき様が化けとる!!」
「どうりで『鬼は内』って言うはずだ。殺されねぇうちに、みんな逃げろ!!」
と言って、鬼たちは一目散に逃げて行きました。

鬼たちは「正気」という言葉を、疫病除け・魔除けの神様である「鐘馗」と勘違いしたのです。
鬼たちが逃げ帰った後には、打出の小槌があちこちに転がっていました。

夫と妻は二人でその打出の小槌を拾い集めました。そして小槌を振ってみると、米が出たり、金が出たり。こうして夫婦は豊かな暮らしを手に入れることができました。人と変った事をすると思いがけずいい事があるものです。

 

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