子どもたちに語り継ぎたい民話の世界
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最終更新日:2024/09/21
民話
世界各国には、その数を正確に数えることができないくらいたくさんの民話が存在しますね。
民話は地域や文化によって異なり、口承や伝承によって伝えられるため、同じ話でも異なるバリエーションが存在することがあります。
また、新しい民話が創作されたり、伝承の中で変化していくこともあるため、その数は常に変化しています。
ただし、世界中の民話を収集した民話集が存在しており、その数には数百から数千の話が収録されています。例えば、グリム童話集は約200の話が収録されていますし、アラビアンナイトの物語は数百の物語が収録されています。また、世界各地の民話を収録した「民話大系」では、約5000の民話が収録されています。ということで、正確な数は不明ですが、世界中には数千以上の民話が存在すると考えられています。
民話が子どもたちに与える影響
民話は子どもたちに多くの良い影響を与えます。以下にその具体例をいくつか挙げてみましょう。
- 読解力の向上:民話は言葉の響きや構造が美しく、繰り返しや反復が多用されるため、子どもたちの読解力を向上させることができます。
- 創造力の促進:民話には、人間の想像力を刺激するキャラクターや物語が多く含まれています。そのため、子どもたちに自分なりの物語を創造することを促すことができます。
- 文化的理解の深化:民話は、その国や地域の文化的背景や価値観を表現しています。子どもたちは、民話を通じて異なる文化や習慣について学び、他者を尊重することができます。
- モラルや倫理観の養成:民話には、人間の行動や生き方についての教訓やメッセージが含まれています。これらのメッセージは、子どもたちに良心的な行動や正しい判断をするための指針を与えることができます。
- 言語の習得:民話には、その言語の独特な表現や慣用句が含まれています。子どもたちは、民話を通じて言語を習得し、その言葉の魅力や美しさを感じることができます。
このように、民話は子どもたちに多くの良い影響を与えます。民話を読むことや聞くことは、子どもたちの成長や発達にとって非常に重要な要素の一つですね。
素晴らしい要素が満載の日本の民話
民話の中でも、日本の民話には多くの素晴らしい要素があります。
■美しい言葉遣い
日本の民話には、美しい言葉遣いが多く含まれています。これらの言葉は、子どもたちの言語能力や表現力を向上させるだけでなく、美しい日本語の響きを楽しむことができます。
■魅力的なキャラクター
日本の民話には、魅力的なキャラクターが多く登場します。例えば、桃太郎やかぐや姫などは、日本の代表的なキャラクターとして愛されています。
■深い教訓
日本の民話には、深い教訓が含まれています。例えば、「一期一会」や「義侠心」など、日本人の美徳や価値観を表現しています。
■伝統文化の理解
日本の民話は、日本の伝統文化を理解するための貴重な情報源となっています。これらの民話を通じて、日本の歴史や文化を知ることができます。
■面白いストーリー
日本の民話には、面白いストーリーが多く含まれています。これらのストーリーは、子どもたちだけでなく、大人たちも楽しむことができます。
日本の民話にはこういった素晴らしい要素が含まれています。これらの民話は、日本の文化や歴史を理解するだけでなく、子どもたちに教訓や価値観を伝える貴重な教材としても活用されていますね。
地元の民話を知っていますか?
私が住む茨城県土浦市(旧新治村)には、山王さまの民話が息づいています。
旧新治郡新治村にある日枝神社は、明治維新前は、山王大権現と言い、「山王さま」の名で親しまれていました。
むかし、山王さまの北の山奥に、村人が「山の神」と呼ぶ正体のわからぬものがすんでおりました。
この山の神は、村人たちの暮らしを守るどころか、たびたび村に降りてきては、田畑の作物を荒らしたり、家畜を奪い、さんざん村人を苦しめていました。
ある日、甲山城主・小神野越前守は、名主の娘が山の神を鎮めるために人身御供に出されるという話を耳にしました。心優しい越前守は、(これは凶暴な獣の仕業に違いない。何とかして娘を助けてやりたい。)と思い、弓の名手・市川将監の力を借りて退治することにしました。
いよいよ、人身御供を差し出すその日、娘の入った柩をかついだ村人の行列が、足取りも重く山へ向かいました。
準備をととのえた越前守と将監は、こっそりとその後を追いました。
村人たちが山の上に柩をおいて一目散に逃げ帰った後、二人は木陰にひそみ、山の神の出てくるのをじっと待ちました。すっかり夜も更け、しばらくして、二人は闇の中から、大きな、怪しげな影がすーっと柩に近づいてくるのを感じ取りました。
「怪物め、あらわれたな。」そう言う間もなく、将監の矢が怪物めがけてさっと放たれました。
矢はみごとに命中し、怪物が闇をつんざくほどの叫び声をあげると、すかさず、かけ寄った越前守が刀を振りおろし、とどめを刺しました。怪物の正体は、年老いた大猿だったのです。二人は、娘を無事助け出し、村へ連れ戻りました。
日枝神社では、現在でも毎年4月にこの話に由来する流鏑馬祭りが行われています。
みなさんの住んでいる地域にはどんな民話がありますか?