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G/REX JapaN トップインタビューvol.1

㈱こめつつじ代表取締役 吉田昭彦 様

石川)
本日は有り難うございます。私の恩師である吉田先生に住環境や住まいのあり方を通して環境や高齢化問題についてご意見をお伺いしたいと思います。*先生のプロフィールは最後にまとめておきました。
吉田先生)
住環境は社会的には広く・深い意味合いがあります。これからの住宅は今までのように30年持てばよいと言うものではなく、100年、200年の長持ちするものとするわけですから、現在だけでなく、遠い将来のことをもしっかりと見据えることが大切です。そうしますと、現在若い人も30年、50年後には高齢者になってしまいますので、住環境を考える際には高齢問題は大変重要になるのです。
石川)
最近は「100年、200年住宅」のような長期利用可能住宅の構想が出ておりますが、その方向性は大変よいということでね。
吉田)
住宅は人生最大の買い物ですから、それを子・孫と三代にわたって大切に利用し続けることは、環境問題ばかりでなく、子・孫の世代への経済的負担を大きく軽減するので方向性は大変よいといえます。なぜ、もっと前から、このような考えが多く出なかったのか不思議なくらいです。現在、「団塊の世代」の大量の定年退職が発生していますが、その機会に「三世代住宅」として住宅を建て替えたり、住まいを変えたりするケースが多くになっています。今後、日本では高い経済成長が見込めないことや年功序列型の賃金体系が大きく変化しておりますので、年齢とともに年収が思うように増加しません。そのため、若い方々が住宅を購入する際に高額のローンを組むのは大変危険です。不景気のあおりでリストラでもされたら返済どころか、日々の生活もままならなくなります。また、お子さんの学歴が上がるほど出費もかさみます。そこで、『「団塊の世代」に向けて、私は、子ども世代と仲良くして、子どもと親との棲み分けをした長持ちする「三世代住宅」を作りなさい』と言うことにしております。そうすれば、お子さんの負担は軽減される一方で、高齢になったときの介護も安心して受けられやすくなるからです。しかし、都心部では一戸建ての大きめの家は高額でとても手の出せるものではありません。としますと、「三世代住宅」は都心から離れた閑静なところとなり、職住接近が難しくなります。そうしますと、今日的な意味での通勤による交通の整備が問題となります。その象徴的な存在が「つくばエクスプレス」の開通です。10年前には人が住まなかった田園には街が次々と作られ、地域の景観は一変しました。ところで、「100年住宅」は孫の世代まで十分に使用可能ですので、「孫達には君たちもこの家で住むのだよ」と言えますから、必然的に孫達も住宅のある地域に長くかかわり持つことになり、「自分たちが長く住む地域を守っていこう」という地域愛が芽生えて参ります。長く住み慣れた家から誰も離れたくはないものです。ですから、今までのように一世代だけが住み、30年で家を建て替えるのではなく、住宅は大事であるとして100年持つ家を造ってこそ、子ども達には住宅の大事さを伝えることが出来るのです。そして、そのことは安心した老後の生活への一里塚なのです。
石川)
私が在学中の頃、先生は環境問題に取り組み、何か賞を取られたようなことを記憶しております。それが、今では、介護に関わる事業の経営をされておられるのですが、環境から福祉へ変身したように見受けられます。何か大きな心境の変化でもあったのでしょうか。
吉田)
ご指摘の通りで、石川さんが在学中には私はものに取りつかれたように1年に6回も7回もブラジルに出かけ、地球規模の環境問題の研究をしておりました。しかし、私が今の介護事業に関わりましてから、はや、7年が過ぎましたが、生物学視点から考えますと、環境と福祉は本質的には同じであることに気づきました。生物学的な視点からでは、環境問題は詰るところ人間以外の生き物の命を大切にすることに尽きます。また、介護のような福祉の問題は障害をお持ちの方も健常者と同じように生きる権利があると言うことで、こちらは人間の命の尊厳に尽きます。人間は生きとし生けるものの一員ですから、環境問題は必然的に福祉を含めたものとなるのです。逆に、仕事上、車いすの視点から地域の環境を見ることがあるのですが、福祉の立場に立ちますと実によく見えたのには驚きでした。それ以来、環境に福祉を含め、そして、「ああしましょう・こうしましょう」という広い意味での教育を一緒にして、住みよい街作りに貢献したいと考えるようになったのです。それで、石川さんのような住環境作りの方ともこうして「馬の合う」お話しが出来るようになったのだと思います。
~印旛沼での作業風景~
石川)
ところで、印旛沼の浄化の問題に関わっておられるとか、お聞きしておりますが、その辺は如何なものでしょうか。
吉田)
ご指摘の通り、私たちは印旛沼の浄化について4年ほど取り組んでおります。一般の方々の取り組みと大きく違うところは遊休耕地などを利用し、水域生態を再生させ、ドジョウやシジミ、あるいはカワニナなどが棲むようにして、収入をもたらし、結果として水質を浄化させようという試みです。印旛沼の水は汚れていると多くの人々が言うようですが、私たちは栄養化された資源であると考え、地球上で最も重要な存在である水生生物の「ケイ藻」を上手に育て、その結果、動物プランクトンが多く住み、ドジョウ、シジミ、カワニナのようなかつて見られた生態系を取り戻そうという試みで、一応順調にことは進んでおります。
石川)
それで、3年ほど前の8月に印旛沼に隣接する本埜(もとの)村で開催された勉強会の際には、「ホタルの飛ぶ印旛沼を!」のお話しのあとに「印旛でトキを飛ばそう!」とのお話しをされたようですが、ホタルの話は分るのですが、トキとはどのような関係があるのでしょうか。
吉田)
私どもの施設は水質浄化を主としたものではなく、水域生態の再生を目ざし、「これから生れてくる子どもたちに壊れた環境を元通りにして返しましょう」という考え方です。カワニナがたくさん育つようになったのですから、ホタルの幼虫を入れれば、翌年にはホタルは飛ぶようになります。それとトキはその昔、印旛沼にもいました。そして、ドジョウなどの小魚を食べていたのです。佐渡ではトキを蘇らせることに多くの資金が費やされておりますが、その中でも多くの金額を占めていたのはエサとしてのドジョウ購入費でした。3年前のことですから、今は分りませんが、当時はエサのドジョウを東京の築地から買っていたとのことです。トキの蘇生にはエサのドジョウ作りが先であり、それではトキの野生化など出来るわけはなく、「トキではなくサギ」だと辛口のお話しをしました。一方、印旛沼では周辺には巣作りに適した大木もあり、ドジョウがたくさん増やせるようになったので、「みなさん、印旛でトキを飛ばしませんか」と呼びかけたのです。現在、印旛沼は水が汚く、臭いとかで、評判が悪いのですが、ホタルが飛び交い、トキが住みつき、結果として水がきれいになれば、極めてよい住環境が形成されます。そうなれば、「西の鎌倉、東の印旛」と呼ばれることも夢ではありませんと、お集まりいただいた方々に夢のあるお話しをしたのです。そして、ただ今、この印旛沼地域には絶好の機会が到来したのです。現在、北総線は印旛日医大前が終点となっておりますが、11年にはこの線が成田へと延び、成田空港と東京(高砂駅)の所要時間は半分となり、極めて便利になります。「つくばエクスプレス」のようになればよいと思いますが、運賃の高いのがネックとなるでしょう。しかし、人間には英知がありますので、本埜村でのお話しは「真夏の夜の夢」にはしたくないものです。色々とありますが、本日はこの辺にしておきましょうか。
石川)
色々とお話しが多方面におよびましたが、住環境を基本とした興味あるお話しを有り難うございました。
先生は本当にパワフルで、環境、福祉、高齢化問題については非常に優れたお考えを持っています。
10年、20年後という近い将来に向けて具体的な指針をお持ちです。私共もできうる限りお手伝いしたいと思います。今回はありがとうございました。
またこれからも宜しくお願いします

聞き手:G/REX JapaN株式会社 
  代表取締役 石川博信

【吉田昭彦 プロフィール】

経歴:

1966年 東京理科大学物理学科卒。
1975年 大阪市立大学工学部工学研究科博士課程単位習得退学。
1975年 産業能率短期大学講師。
1985年 同助教授。
1985年 同教授。
1992年 日本経済新聞社・財団法人地球産業文化研究所主催:
第1回「地球環境問題解決のために-私の提言」論文コンテストグランプリ「21世紀地球賞」受賞。
1995年 OBサミット東京会議(故福田首相主催)論文提出。主題テーマ「人口と食料」。
国際事業団の依頼でネパールの防災活動参加。
~1998年 JICA専門委員(ネパール防災調査委員)。
1997年 ECOSUD(世界環境維持協議会)に「貧困解消と養蚕業」発表。
1998年 産業能率短期大学退職。
京都大学。未来開拓プロジェクト参加。
タイ東北及び山間部で養蚕業を開始。

役職・肩書:

  • 医学博士。
  • 環境カウンセラー(企業部門)。
  • [NPO2050]テクニカルアドバイサー。
  • [NPOえがおつなげて]顧問。
  • [南アルプス山の学校]評議員。
  • [高崎総合リサイクルマネージメントセンター]顧問。
  • [㈱ワールドグリーンクラブ]代表取締役。
  • [㈱こめつつじ]代表取締役。
  • [㈲アクアホールディング]顧問。
  • 財団法人日本消費者協会理事

最近の主な著書・雑誌記事:

1989年 『科学者の書いた経済学の本』。 中経出版
1991年 『なるほど日本経済の強さが良く分かる』。 中経出版
1992年 『アマゾン熱帯雨林破壊の抜本的対策とブラジル・ノルデステの農業総合開発』。
日経サイエンス3月号(21世紀地球賞受賞論文)
1993年 『アマゾンで考えた私の環境貢献』。 東洋経済
1995年 『環境道のススメ』。ミオシン出版
1997年 『シルク革命』。ミオシン出版
2000年 『日本的グリーンツーリズムのすすめ』。 現代農業11月増刊号2000年 『美しく持続可能な社会に向けて・築こう循環型社会』。 エコ・フロンティアNo5
京都大学未来開拓プロジェクト発行
2001年 『教育グリーンツーリズムのすすめ』。 現代農業8月増刊号
2002年 『農業による女性の自立が環境破壊と絶対貧困を解決する』。 現代農業2月増刊号
㈱こめつつじHP   http://cometsutsuji.co.jp
吉田昭彦のページ   http://cometsutsuji.co.jp/kome/htm/yoshida-index.htm

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