デジタルコンテンツ時代に潜むリスク

購入した本が消滅!?

『マイクロソフトが電子書籍事業を廃止、本は消滅……』BBCのニュースサイトにそんな文字を見つけた。
「マイクロソフトって電子書籍ストアやっていたっけ?」一瞬疑問に思ったが、これはアメリカの話であり、日本ではストア展開されていない。

本が消滅とはどういうことか?
そもそも電子書籍は、本というモノを買っているわけではない。ダウンロードしているが物理的なモノが手元にあるわけではないのだ。電子書籍ストアに並ぶ商品にお金を払うと、その本への「アクセス権」を手に入れることができる。あくまでもアクセスできる権利であり、自分の所有物にはならない。あらゆる大手電子書籍ストアの利用規約には、このアクセス権はいつでも取り上げられる可能性があると書かれている。つまり、ストア側がサービス提供を停止すると言ったら、今回のマイクロソフトのように、本へのアクセス権が消滅する。そうなるとお金を払って手に入れたはずの本が読めなくなるのだ。これはなにもマイクロソフトに限った話ではない。「Kindle」で読んでいる本もそうだし、「iTunes」に保存してある映画だって同じなのだ。ここにデジタルコンテンツを買うリスクが存在する。

デジタルコンテンツを購入するということ

デジタルコンテンツを管理するシステムにDRMというものがある。DRM(Digital Rights Management )とは、デジタルコンテンツの利用や複製を制限するために設けられている仕組みの総称で、主に音楽や映像などのデータに対しての複製の制限、あるいは複製されたデータを再生できないよう制限している。デジタルデータとして記録された情報はどれだけ複製しても画質や音質が劣化しないため、違法に大量複製されることがレコード会社などにとって脅威となっていたが、DRMの仕組みをコンテンツに付与することによって、複製に制限をかけることが可能になった。

DRMを搭載した代表的なシステムとしては、iTunes Storeで提供されているQuicktime向けのFairPlay、Microsoftが提供しているWindows Media DRMなどがある。なお最近では、DRMによって個人使用の複製までもが制限されてしまっているなどの指摘もコンシューマーの側から挙がってきており、敢えてDRMの仕組みを採用していない(DRMフリーな)コンテンツを配信するケースも増えてきている。

やっぱり紙がいいという声もあるがデジタル化はさらに進む

 DRMが持つメリットとリスク

DRMがあるおかげで、出版社や著作権者は自分のデータを守ることがきるが、各サービスによってそれぞれのDRMを設定しているため、自社のアプリケーション以外では聴けない、読めない、観られないということになり、ユーザーとしてはデータの一元管理も、知人・友人との貸し借りもなどもできない。さらに今回のマイクロソフトのように、DRMを管理しているストアがサービスの提供をやめると、購入したデジタルコンテンツが利用できなくなってしまうこともあるのだ。

マイクロソフトは電子書籍の代金をすべて返金し、ユーザーが書籍に対してメモ書きや印をつけていた場合は、そのデータが消えてしまうことに対して25ドル(約2,700円)を支払うとしている。すごいなマイクロソフト、、、と思ったが、これはあれだけの企業だからこそできることだろう。メモや印は、時間が経過してから読み返して、その時の状況に合わせて反芻するものであり、それが消えてしまうことに25ドルで納得がいくのだろうかとも思う。

電子書籍は、とても手軽で端末さえあればいつでも本が読める優れものだ。しかし、購入しているのはモノではないことを認識し、デジタルコンテンツ時代を楽しむ必要があるだろう。

 

 

絶版、重版未定の作品の電子化を請け負います

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