年間325億円の損害!電子書籍の違法コピー

公開日: : 著作権, 著者, 違法サイト, 電子書籍, 電子雑誌

全米作家協会が、「インターネットで配布される書籍の違法コピーにより、出版社が失う売上は年間3億ドル(約326億円)に達している」と発表した。イギリス知的財産庁も、2017年に英国で消費された全ての電子書籍のうち、400万冊が違法コピーであったと述べている。

違法サイト運営者の主張は、その中には「ターゲットとするのはお金には不自由しない著名作家のタイトルのみ」だとか「ネット上で違法コピーを配信する行為は、書店の万引きと同程度の経済的被害を与えない。オンラインとリアルの世界は別だ」といったものもある。電子書籍の違法コピーはここ数年で利用が広まり、世界の出版社は年間数億ドルに及ぶ被害を被っているのだ。違法サイトが乱立する背景には、PDFなどのファイルが放置された海賊版サイトが開設され、誰でもアクセス可能な状態になっていることだ。

海賊版サイトとは、著作権者に無断でコンテンツを違法アップロードしたファイル置き場の総称をいう。コミックや雑誌などのサイトや、テレビの録画番組やDVDなどの動画系サイト、CDアルバムなどの音楽系サイトもある。海賊版サイトはアクセスするだけで読んだり見たりできてしまうため、ユーザーが増加し事態が深刻化しやすい。2018年春に、マンガのタダ読みサイトとして大問題になった「漫画村」。当時はテレビ動画などの見放題サイトなどにも影響を及ぼした。

著作権の種類

著作権の侵害は犯罪だ。被害者である著作権者が告訴することで侵害者を処罰することができる(親告罪。一部を除く)。著作権、出版権、著作隣接権の侵害は、10年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金、著作者人格権、実演家人格権の侵害などは、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金などが定めれれている。また、法人などが著作権等(著作者人格権を除く)を侵害した場合は、3億円以下の罰金になる。さらに、私的使用目的であっても、無断でアップロードされていることを知っていて、かつダウンロードする著作物等が有償で提供・提示されていることを知っていた場合、そのサイトから自動公衆送信でデジタル録音・録画を行うと、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金が科せられるのだ。この範疇を明確に理解しておらず、うっかり著作権を侵害してしまうこともあるだろう。

著作権法において「思想または感情を創作的に表現したものの内、文学・学術・美術・音楽の範囲に属する」著作物に対して発生する知的財産権、と定義されている。自分の考えや気持ちを作品として表現したものを「著作物」、著作物を創作した人を「著作者」、著作者に対して法律によって与えられる権利のことを「著作権」と言う。

本を出版すると、その本が著作物となり、その本を書いた著者に著作権が設定される。これは紙の本でも、電子書籍でも一緒。そして著作権は、「著作者人格権」と「著作権(財産権)」の2種類に分かれる。著作者人格権というのは、著作者が制作した著作物に関わる人格的な利益を保護することを目的とする権利の総称。小説・映画・音楽などを代表する著作物には、著作者の考えや主張が強く反映されているため、第三者が著作物を誤ったかたちで利用することを防止するために、著作者人格権が設けられている。著作者人格権は「一身専属権」といって、著作者のみが所持する権利で、譲渡や相続が不可能となっている。そのため、著作者が亡くなると一定の範囲を除いて、権利が消滅する。

それに対して、財産権は特許権などと同様の知的財産権のひとつで、著作物の全てまたはその一部を譲渡や相続することが可能。財産権の譲渡、相続を行った場合、著作権の権利者は、著作者本人から著作権を新しく取得した人となる。

著作権の存続期間

著作権の存続期間は、著作者が著作物を創作してから著作者の死後50年間まで著作者が変名・無名または団体名義の場合は公表後50年間が存続期間となる。著作物の種類と保護期間は以下の通りだ。

■実名(周知の変名を含む)の著作物 … 死後50年
■無名・変名の著作物 … 公表後50年(死後50年経過が明らかであれば、そのときまで)
■団体名義の著作物 … 公表後50年(創作後50年以内に公表されなければ、創作後50年)
■映画の著作物 … 公表後70年(創作後70年以内に公表されなければ、創作後70年)

日本以外の国で保護期間が死後50年の国は、カナダ、ニュージーランド、中国などがありますね。ちなみにその他の国ですと、書籍に関して言えば、基本的には著作者の没後50年が経過しないと、第三者が利用することはできないわけだ。

こういった著作権のことを知らずに、ネット上のデータをダウンロードしアップロードをすると、著作権を侵害し訴えられる可能性もある。デジタル化がますます進む昨今、違法サイトは雨後の筍のように開設されるだろう。うっかり犯罪の片棒を担ぐことがないように気をつけたいものだ。

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