電子書籍は書籍に非らず
電子書籍を見る時って、いろんなビューアーを使いますね。
ビューアーって何かっていうと、その名の通り電子書籍を閲覧するソフトウェアです。電子書籍を管理する本棚と、ページめくりやブックマーク、文字の拡大や背景色変更などの機能を備えているものです。iOS、Androidなどの端末にインストールするアプリケーションと、Webブラウザーのビューアー機能でストリーミング配信を表示するブラウザー型があります。
前にも書きましたが、電子書籍のフォーマットは.book、XMDF、EPUBなどがあり、それに合わせてビューアー色々です。EPUBが標準化されてからは、各種電子書籍ストアやITベンダーがEPUBビューアーを開発しています。
有名どころだとこんな感じですかね。
日本電子出版協会HPより
これも以前書きましたが、EPUB3ってHTML5とCSS3なんですね。だからいろんなことができるわけです。例えばJavaScriptで動きを出すことも可能だし、GIFアニメや動画は当然のこと。だから要所要所でインパクトを与えたり、より詳しく情報を伝えることができるんですね。僕たちが開発しているように、電子書籍から物を買うことだってできます。
このところ著者の方々を色々なお話をしているのですが、せっかく電子書籍を作るならやっぱり電子の良さや強みを出していきたいと思うんですね。みなさんもそういったことを期待しています。あ、機能だけじゃなくて、想いを後世に残すとか、本の力で課題を解決するとか、そんな僕たちのモットーにも共感してくださっていますよ。
そんなわけで電子だからできることを、いつも色々模索しているのですが、北海道ハイテクノロジー専門学校ITメディア学科の学生さんたちが制作した『Jumper』という作品が面白いんです。北海道メディカル・スポーツ専門学校の女子スキージャンプ選手の勢藤優花選手について紹介した電子書籍なんですけど、ページをめくるとスキージャンパーが紙を破って飛び出して来たり、インタビュー内容がじわっと浮かび上がったり、動画でインタビューやジャンプシーンが流れたり、10ページほどの作品ですが、電子の特徴を生かした様々な仕掛けがしてあります。
で、それがどうしたの?必要?って言われちゃうと、まあ無くても大丈夫ですがね…。僕が言いたいのは電子書籍は書籍を電子にしただけじゃないということなんですね。いつも言いますが、それだけではとってももったいないんです。実はものすごい可能性を持ってるんですよ。紙より多機能で、アプリ開発より安上がりという、何か新しいプロモーション方法を探している人にはもってこいのものだと思います。
電子書籍は書籍に非らず。電子書籍はまったく新しい「電子書籍」という名の発明品なんです。みなさんも電子書籍で新しい可能性を考えてみませんか?
関連記事
-
-
読書の未来 コンテンツは物からデータへ
2018/01/03 |
新年明けましておめでとうございます。 今年は、明日1/4から仕事初めの方が多いでしょうか?僕た...
-
-
ゼロ・ウェイスト入門 科学で考えるごみゼロの未来
2018/09/14 |
最近になって「SDGs」という言葉をよくメディアで見るようになった。SD...
-
-
ついに現れたAmazonのリアル店舗 〜黒船がまた日本にやってく
2015/11/09 |
画像はすべてarstechnica.comより Amazonを使って本を買う人は多い...
-
-
出版市場を中国に見る 中国のデジタル事情
2020/06/25 |
みなさんはTikTokを使ったことがありますか? 初期は女子高生をはじめとした若い世代が、音楽に合...
- PREV
- あなたの本が誰かのセレンディピティになる
- NEXT
- DRMは誰のため?