進むデジタル化 あなたは地図が読めますか?
旅のお供は地図かスマホか?
過去最長の連休となった今年のゴールデンウィーク。国内外に旅行に出かけた人も多いだろう。今や車で旅行に出かけるという時は、ほとんどの人たちがカーナビを利用するのではないだろうか?あるいは、GoogleMapをはじめとしたスマートフォンの地図アプリやナビアプリを活用するだろう。アプリに関しては、旅行ではなく日常的に使っているかもしれない。
20年ほど前、私が営業職に就いていた頃、外回りの際には紙の地図を持って出かけたものだった。様々な縮尺の地図とゼンリンさんが出している住宅地図を片手に、飛び込みでの営業に汗を流していた。紙の地図をコピーしてその日のルートを設計し、車両進入禁止や一方通行をチェックしながら、効率よく回る方法を考えたものだ。休日のドライブや旅行に行く際も同様に、地図を見ながら迷いながら目的地を目指した。今ではその全てをカーナビかアプリがやってくれる。約30年前に『地図が読めない女 話を聞かない男』という本がベストセラーになったが、昨今では地図が読めない男も多数存在するのではないだろうか。
地図と聞いて私がすぐに思い浮かべるのが、ゼンリンと昭文社だ。この二社には営業時代を含め大変お世話になった。特に昭文社が手がける全国各地の道路地図「スーパーマップル」、ガイドブックの「まっぷる」は車の中に常備していた。その地図出版を手がける「昭文社」が、3年連続の最終赤字となった。
紙とデジタルの棲み分けが求められている
スマートフォン向けの地図アプリなどの普及により、地図などの販売が一層落ち込んだことが要因とされている。昭文社が発表した2019年3月までの一年間の決算は、最終損益が18億1500万円の赤字で、昨年12月に下方修正した業績見通しよりも赤字幅が11億円余り拡大したそうだ。カーナビが普及しその精度が高まっていったこと、そして地図アプリを搭載したスマートフォンが普及したことで、地図の販売はさらに落ち込んでいった。また2019年2月には、全体のおよそ2割に当たる96人の社員が希望退職に応じ、退職金を割り増して支払ったことも収益を圧迫する要因になったとしている。
今後は、海外旅行者に向けて宿泊や観光ツアーを手配するサービスを展開するなど、出版以外の事業を強化することで、黒字回復を見込むという。
スマートフォンの普及と、それに伴うアプリの拡大はさらに進んでいくと思われる。これまで紙で作られていたものは次々とデジタル化され、手のひらの中で見られるようになり、画像や動画そして音声を駆使してより便利なものに姿を変えていくだろう。書籍に関しても同様で、小説の類いは別としても、ビジネスに関する本やハウツーの本についてはデジタル化し動画や音声を組み込んだり、WebやSNSと連携させることで、仕事に直結するような仕組みを構築することができる。出版することをゴールとせず、本から直接仕事を受注したり、申込みを受け付けることが可能になるのだ。とはいえ、紙を利用するユーザーも大多数存在する。紙と電子を使い分けるユーザーも増えている。ユーザーの動向に合わせて、紙とデジタルをうまく出し分けることが、今後ますます求められるだろう。
ビジネス、ノウハウ本を電子書籍で販売することで仕事に繋げましょう
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