ついに現れたAmazonのリアル店舗 〜黒船がまた日本にやってくる?〜
画像はすべてarstechnica.comより
Amazonを使って本を買う人は多いでしょうね。僕もよく利用させてもらっています。
午前中に買って夕方届くなんてのはもちろん、ユーザーの趣向に合わせて近隣の発送センターに品物を準備しておくとか、ドローンで玄関先に届けるとか、スピードへの挑戦は果てしないですね。
そんなAmazonがついにリアル書店をオープンさせました。
Amazonの実店舗「Amazon Books」がオープンしたのは、アメリカ・シアトル。店内で販売される書籍は5000冊ですが、置かれている書籍はAmazon.comでの評判をベースにして選ばれているそうで、多くの作品が星4つ以上の評価をつけられ、いろいろと賞を受賞した作品になっているとのことです。
本の下には「レビューカード」が置かれていて、Amazonのサイトで本を探す時と同じように、カスタマーレビューとか評価などが見られるようになっているようです。価格はオンライン上と同じなので、リアル店舗で紙の本を見て後でオンライン上で購入することもできます。
店内にはAmazon Fire TVがディスプレイされていたり、寛ぎながら本を読めるスペースがあったり、Kindle Fireタブレットも置かれていて、プリインストールされている雑誌を読むことができるそう。
レジ前にあるタブレットではクレジット決済も可能で、カードをスワイプして画面にサインすれば購入できるとのこと。
ディスプレイされている本のほとんどが、背表紙ではなく表紙が見えるようにしているあたりは、まさにショールーミング用のリアル店舗として考えられているんだろうなと思います。
ここはAmazonのセレクトショップのようなもので、空間を楽しませるものなのかな?
この空間でAmazonのおすすめする本を手に取って読んだり、タブレットやTVを触ったり、音楽を聴いたりして、今までオンライン上でしか見なかったAmazonを、肌で感じて体験させる場所なんだろうな。ここに来て紙の本を見て、オンラインストアで本を買おうと思った時に、Amazon以外のストアにアクセスする人ってほぼいないでしょうから。オンラインストアへの誘導にはもってこいの場所。で、オンラインストアに行けば、お目当の本以外もレコメンドやレビューの力で買わせることができる。
あまり売れていない?アクセサリー類も体験することで売れやすくなるってこともあるでしょうし。その辺はApple Storeと似てるかな。
いずれにせよ、Amazonのリアル店舗は恐るべきパワーを持っていると思います。
日本では以前打倒Amazonのような風潮がありましたが、なぜ出版業界をあげてこういった取り組みができなかったか。日本には全国津々浦々に書店があって、どこでも同価格で本が買えるというインフラが整っているはず。Amazonが仕掛けてきたスピードや利便性の勝負に乗ってしまって、リアル店舗の存在意義を見失ってしまったのでしょうかね。
恐らくそんなに時間をかけずに日本にもAmazon Booksが出来るでしょう。その時に日本の書店は、出版業界はどうするのか?「電子書籍によって紙の本が売れなくなる」なんて言ってられないような事態が、もう目の前にせまっています。書店は本を買うところではなく、本を使って様々な体験をしてもらう場所に変えていく必要があるのではないでしょうか。
Amazonの動きはこれからも目が離せませんね。
関連記事
-
-
Apple Pencilから見る電子書籍の可能性
2016/11/16 |
この前新製品が安いK'sデンキに行ってきました。 電気店は何も買う予定がなくても面白いですね。K'...
-
-
中小企業 新ものづくり、新サービス展に出展します!
2016/11/27 |
2016年11月30日(水)〜12月2日(金)東京ビックサイトで開催される「中小企業 新ものづくり、...
-
-
教育現場で進むデジタル化
2019/04/06 |
伸び悩む出版市場で電子出版が増加 出版業界の調査研究機関である公益社団法人全国出版協会・出版科学研...
- PREV
- 電子書籍が空を飛ぶ
- NEXT
- 電子書籍のダーク・マターを探そう