今より通じる英語 ー明治時代の本の教えー


「ホッタイモイジルナ」

一度は聞いたことのある文ではないかなと思います。What time is it now? 「何時ですか?」という英語の発音をカタカナ表記したもの。本当に面白い読み方で、これは誰かがギャグとして、面白英会話として、考え出されたのかなと勝手に思っていたのですが、実はこれは明治時代にジョン万次郎氏が、英語教本に載せたカタカナ表記なのですね。

 

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https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョン万次郎

 

ジョン万次郎氏は、日米和親条約の締結に尽力した人物で、通訳や英語の教師としても活躍をしていました。彼は漁師仲間と漂流されて、アメリカの捕鯨船に救助をされました。その船長ホイットフィールド氏に、有能な才能を気に入られて、そのままアメリカまで航海を共にし、本土にて英語や数学、捕鯨技術なども学び、通っていたオックスフォード学校、バーレットアカデミーで首席となるほどだったそうです。その後、帰国し、薩摩藩で英語や造船術や航海術を教えていました。

 

彼は明治時代に英会話教本『英米対話捷径』(1859年)を著作し、その中で英語の発音について、カタカナで示していた中に、「ホッタイモイジルナ」があり、他にも、「ワラ」= watar、「ウレ」= red など、今馴染みのある「ウォーター」、「レッド」など日本でカタカナとして定着しているような言葉とは、違っているようなものについても記しているそうです。よく考えると、ジョン万次郎の記しているカタカナは、実際の英語の発音に近い表記のように思いますよね。おそらくこちらの方が、通じやすいのではないかと思います。

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http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko08/bunko08_c0734/index.html

明治時代に作られた教本の方が、ネイティブに近くて、伝わりやすかったというのは、これだけ情報がある中で何だか面白い現実ですよね。変にカタカナでローマ字読みに近い形で決めてしまったものが、定着してしまって、今とっても私たちは勘違いして、苦労させられてしまっているような気もします。この本を読んでみたら、いろいろな発見があるのかなと興味がわいています。

 

英語の発音はとても難しいですが、文字で読んでしまうとその通りに読んでしまうので、耳で聞くより優先になってしまいますね。英語の教本がなかった時代に自分の耳にしたがってできた教本は、貴重なものなのではないかと思います。なかなか固定観念を捨てるのは難しいですが、これから英語の勉強をするときに、まっさらな状態で耳に頼ってみるということができると、よりネイティブに近づけるのかもしれません。

 

まず、先入観を捨ててみることは、本物に近づける第一歩かなと思いました。明治時代の教本を今読めて、今よりも正確に近い情報が詰まっているとは驚きです。本が残っているから、わかったこと。今あふれている情報より、昔の書物に有用なコンテンツがあるという事実は面白いなあと思います。書物を残すことは、とても大切で意味のあることですね。

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