電子書籍市場はますます混沌と


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7月にインプレス総合研究所が「電子書籍ビジネス調査報告書2016」を発表しました。

電子書籍の統計データというとインプレスさんくらいなんですよね。

これまでは一冊の電子書籍データをダウンロードして閲覧する形が主流だった電子書籍ですが、ここ一年だけでも様々な形式が出てきましたね。主なものを挙げると、

 

■個別課金型 … ユーザーが読みたいコンテンツをその都度購入する形。

■月額課金型 … ユーザーが毎月一定額を支払い、課金額に応じたポイントが毎月付与される。そのポイントを使用してコンテンツを都度購入する形。

■サブスクリプション型 … 月額定額制の読み放題のサービス。例としてはアマゾンジャパンの「Kindle Unlimited」。日本では電子雑誌配信で先行して普及している。

■レンタル型 … 個別課金型・月額課金型の一種。レンタルから一定時間内が経過すると該当のデータが読めなくなる。閲覧期限がある分、個別課金型よりも安価。

■定期購読型 … 予め決められた期間分の料金を支払うことで、その期間に発行される電子雑誌を購読できる。

 

だいぶ多様化してきましたね。まあ、それだけ過渡期にあって安定していないということなんですけど。何となくサブスクリプション型が伸びていくのかなという状況になってきていますが、アマゾンさんでも色々問題が発生していますから、まだまだあの手この手が出てくるかな。

 

以前から囁かれている「電子書籍伸び悩み説」に関しては、こんなデータが出ていますよ。

2015年度の電子書籍市場規模は推計1,584億円とされていて、2014年度の1,266億円から318億円(25.1%)増加しています。電子雑誌市場規模は242億円(対前年比66.9%増)と推計され、電子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場は1,826億円となっています。

2016年度以降も拡大路線を辿るようで、2020年度には2015年度の1.9倍の3,000億円程度になると予測されています。

いやいや、伸びていってるじゃないですか?

 

タブレットはどうか分かりませんが、スマホの保有者は今後も増加していくでしょうからね。使い勝手が向上しコンテンツや機能が拡大し認知度が上がれば、市場規模は上がっていくと思うんですね。その使い勝手やコンテンツということで言うと、これからの鍵はセルフパブリッシングと閲覧にとどまらない機能でしょうね。機能ばっかり向上してもしょうがないですからね。電子書籍をどう使うかがやっぱり重要。

 

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電子書籍・電子雑誌の市場規模予測(「電子書籍ビジネス調査報告書2016」インプレス総合研究所より)

 

電子雑誌は、月額課金モデルのコミック誌や月額定額制の読み放題サービスの増加が予測されているそうです。さらに、電子雑誌広告市場の形成も想定されていて、ここも市場拡大が見込まれますね。今まであまり電子書籍での広告は騒がれていませんでしたが、今後はここがターゲットになると予測しています。ウェブでもない、アプリでもない、紙の本でもない、新しい媒体として電子書籍を捉えることが、混沌とした今の市場を抜けていくポイントだろうな。

 

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