読み聞かせからはじまる識字率アップ


読み聞かせ。

 

子ども時代みなさんも経験があるのではないでしょうか?また、お子さんのいる人は、毎晩読み聞かせをしているかもしれませんね。日本では幼児期から多くの人が経験する読み聞かせ。でも世界に目を向けると、それはすごく特別なことになります。

 

35年にわたり東南アジア諸国に絵本を届ける、図書館や学校を建設する活動を続けている、シャンティ国際ボランティア会。1980年当時の活動地域は、タイにあるカンボジアの難民キャンプ、ラオスの難民キャンプの二つ。車にたくさんの本を積んでそのキャンプを巡る、巡回図書館からスタートした活動は、約30年の歳月の中で、300棟の学校建設、67万人の読書機会の創出、そして60万冊の絵本を現地に届けています。現在の活動地域は、タイ、カンボジア、ラオス、タイにあるミャンマー(ビルマ)難民キャンプ、アフガニスタン、ミャンマー本国へと広がっています。

 

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写真はシャンティ国際ボランティア会HPより ©川畑嘉文

 

僕たちは生まれた時から傍に本があり、全国どこにいっても同じ価格で本が買える環境に育っていますよね。同じアジアでも、内戦があったり自然災害があったりして、本を手にすることも目にすることもない人たちが大勢います。生まれて来る場所が違うだけで、本を手にしたことがないという子どもたちが、今もたくさんいるのです。

本は字を覚えるものとか、物語を楽しむものと思われがちですが、本を手にしたことがない子どもたちは、まず本というものがどういうものかが分からないそうです。本を手渡したときに、逆から持ったり裏からめくったりするぐらい、本というもの自体を初めて見る子どもたちがいるそうです。そして、もちろん文字というものも知らないので、当然読むことは出来ません。私たちも、自分の親や学校で教わって文字を覚えたからこそ、日本語が読めるわけで、それをしたことがない子どもたちには文字というものが分からないんですね。

 

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そこで、大切になるのが読み聞かせ。

シャンティ国際ボランティア会がつくる図書館では、図書館員の先生が読み聞かせをしています。物語を読んであげて、耳から情報を入れて、物語を覚えていくというところから始めていきます。読み聞かせによって、本というものに文字というものが書いてあり、それは物語を紡ぎ一つ一つに意味がある。そうやって少しずつ文字を覚え読めるようになっていく。

日本を含めた先進国と呼ばれる国々の子どもたちと比較して、その機会は劇的に少ないのが現場です。なおかつ、難民キャンプの子どもたちは、祖国の言葉を知ることも覚えることも許されない環境におかれています。

そんな子どもたちのためにシャンティ国際ボランティア会では、日本の絵本の文字部分に現地の言語で書かれたシールを貼り付けて届けています。

 

アメリカのニュースサイト「The Digital Reader」によると、Amazon社のインド法人に対し現地の文芸団体などが、カンナダ語も対応言語に加えるよう抗議している模様。インドでは出版物の多くが、国内に20言語以上あるといわれるローカル言語で書かれるケースがほとんどだそう。Amazon社は現在、ヒンディ語・タミール語・マラーティー語・マラヤーラム語・グジャラート語の5言語への対応を進めているが、それ以外の言語の電子書籍については作品登録を一切拒否しているのだそうです。

 

ミャンマーには130以上の部族があり、それぞれがローカルな言語を持っているとも言われています。全世界の言語に対応することは難しいかもしれませんが、電子書籍であればそれも不可能ではないのでは?と思います。

自分の祖国の言語で、世界中の本が読める。そんな環境も電子書籍やインターネット、AIの技術が可能にできるのではないでしょうか。日本ではたくさんの読み聞かせアプリが存在します。デバイスもあらゆるメーカーからあらゆるデザインのものが生み出されています。あとはコンテンツでしょうかね。

何のための本なのか?何のための機能なのか?そこを追求して仕組みづくりを進めていきたい。僕たちの仕組みが、世界中の識字率をアップさせるお手伝いができるものになるように。

 

 

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