本と音
ブックフェアで本を電子化するなら、「音声サービスがあるといいね」というご意見を伺った。音があると字を読めない子どもも楽しめて、言葉や文字を覚えるきっかけになる。私も是非、電子書籍に音声が取り入れられたらいいなと思っている。
また先日、野外のスリランカフェスティバルの中、食事をした時に感じたのだが、現地の音楽や歌が流れる中で味わうと、まるで現地にいるような気分になった。もし本からBGMが流れたりしたら、本の中の世界に入り込めたり、行ったことのない世界の雰囲気を堪能できたりするのかもしれない。
音と本が組み合わさると色々な可能性が生まれるのではないだろうか。
そんな折、「Bookshare」という電子図書館サービスが米国にあると知った。累計1,000万ダウンロード数を突破したそうだ。このサービスは、視覚障碍者や学習障碍者専用の電子書籍図書館プラットフォームとして提供され、非営利組織“Bookshare.org”が、米国教育省から資金援助を受け、始められた。ボランティアが資料をアップロードして、基準を満たす障害者がそれをダウンロードして音声読み上げ機器等で利用するという仕組みでできているそうだ。コンテンツも教育を中心にとても充実しているということだ。
多くの人に本を届けることができるような仕組みを作り上げた「Bookshare」サービスの発想は素晴らしいと思う。
電子化された本に音をのせることで、本を楽しめる人が増えて、学べる人が増える。電子化することの意味を今日また一つ知ることができた。文字で読む本は想像をかき立て、本と音が融合したら、今までにない世界を作ってくれる。電子化の可能性はきっとまだまだあるんだろうな。可能性をこれからも探って、たくさん見つけていけそうな気がする。