デジタルだからこそ、あえて不自由に
私がシステムエンジニアの仕事についたとき、デジタルの絵本が作れたらいいなと思っていた。
実際のお仕事は全く違うシステムの仕事だったけれど、その経験や知識を貯めて、いつか絵本が作りたいなと思っていた。きっとそこには笑顔があるだろうなと。
今、たくさんのデジタル絵本があり、私が作りたいなと思っていた頃よりずっといろんな機能があって、楽しいものばかり。実際に子どもがお話を作れるものもあって、それはきっと子どもだったら工作を作るような完成させるワクワク感があるんだろうなと思う。実際デジタルだからこそ、真っ白な画用紙から作るより、創作が次へ次へ想像が広がる材料を提供できている効果もあるそうだ。
http://mirai.dnp/project26_2.html
子どもとデジタル絵本についての講演をまとめたサイトを見ていたら、デジタル絵本を作るにあたって、開発の方が注意したことが並べられていた。そのなかで、インタラクティブなコミュニケーションを大切にすること、アナログとデジタルを融合させることなど書かれていたが、おっ!と目を引いたのが、「あえて不自由にした」という言葉だった。
デジタル=便利というイメージがあったので、「あえて不自由に」という方針にとても感銘を受けた。デジタル絵本の可能性にそのエッセンスを入れるのが大切なんだなと。お父さん、お母さんに読んでもらわないと読めない状態をあえて作ることで合成の音声は入れないという方針を通すということもすごく大事なことになる。
また、過剰な装飾や演出を避けることも重要とあった。子どもには刺激的な面白さではなくて、深い喜びが必要で、過剰な装飾や演出はそれをぼんやりとさせてしまうと考えてのことだそうだ。そのため先回りしたような親切すぎる機能は持たせないということも、子どもに絵本の喜びを感じてもらうためには注意しなければいけないことと書かれていた。
先日のブログで書いた音声というのは必要な方ももちろんいる。それによって世界が広がる可能性をもっているから、それは整えるべき環境だと思っているし、また雰囲気を作るための音楽は有用であると思っている。しかしながら、小さな子どものためのデジタル絵本には「あえて入れない、あえて作らない」方針もとっても大切だと思う。
「あえて便利すぎないように!」それも肝に銘じて、これからデジタルの楽しさを広めていきたい。