言葉が身につく一つの魔法


私が日本で働く外国人の方に日本語を教えるボランティアをしたい!と思って、大人になってから講習を受けに行った時に、会話の意味を適切なシチュエーションで伝えること、それと絵を必ず用意することを教えられました。絵があると共通のものを想像をしやすく、場面について説明がなくても伝わることがたくさんあります。

今はインターネットを検索するといろいろな画像や絵が出てくるので、それをプリントアウトしたり、それでピンとこないときには、簡単に自分で絵を描いたりしました。こんなときに絵の才能があったらなあ。。。と思いましたが、なんとか私なりの精一杯の絵を画用紙に描いていつも持っていきました。絵がうまいことに越したことはないのですが(汗)、まずは会話にあった絵を作ることが大切だなあと実感しました。

 

例えば、電車のホームでの会話を想定したときに、実際にその生徒さんたちが乗り降りしている駅の風景を用意したり、いつも生徒さんたちがよく行くお店の看板を描いたり。これだけでグッと身近になって会話が入りやすくなるんです。実際に使える!という気持ちからか、会話の声がいきいきとしてきました。日本での日本語教育はいろいろな国の方が一緒に学ぶ機会が多いので、英語で説明ではなくて、日本語でというのが基本でした。そのため、絵が共感するために大きな役割を果たしています。

 

日本語を母語としない子供たちに日本語を教えるとき(例えば海外に住む日本人のお子さんたちや、日本語に住む外国のお子さんたちなど)にも、絵と言葉がある絵本での教育も取り入れられているとあちこちの文献で見受けられました。言葉だけではなく、絵本だからできる学び方があるのですね。

 

*絵本は展開がわかりやすく、全体の流れが予測しやすい

*繰り返しの語句が多いので、単語が定着しやすい

*音読すると心地よく、耳に残りやすい

*一文が短いので読み進めるのに負担がない

*言葉がわからなくても絵で楽しめてストレスが少ない

*絵に親近感がわく

*自然な言い回しを理解できる

*絵から社会や文化が想像できる

(日本語イマージョン教育でのケーススタディより 山口真帆子著)

 

 

066b

http://ehonkan.co.jp/ehon/book/066.html

 

 

日本に住む日本の子供たちも最初に言葉を覚えるときに、絵本が教えてくれた言葉はたくさんあると思います。桃太郎のお話、きっと日本の多くの人が、本を用意しなくてもできてしまうくらい有名なお話だと思うのですが、「どんぶらこ、どんぶらこ」と桃が流れる様子や、「おこしにつけたきびだんご一つ私にくださいな」と繰り返しの表現があったり。誰もが共通の音として覚えてしまうほど、耳に残っています。

 

子どもも自然に覚えてしまうような、そして思わず口にしたくなるような言い回しがたくさんあります。イメージを膨らませてくれる絵にまつわる魅力的な単語や文がのっかったり、言葉にまつわる素敵な絵がのっかって、言葉の定着に一役かっているのですね。

 

日本に来て日本語を学んでいる海外の方や、海外にいる日本語を学ぶ方にも、日本の文化や言葉が詰められた絵本をもっともっと届けられたらいいなあと思っています。そして、私たちも海外の絵本をたくさん読んで、もっと世界を知ることができたら素敵だなと思っています。

 

 

 

 

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