品と礼儀と優しさと 〜絵本がもたらした奇跡〜


クシュラの奇跡―140冊の絵本との日々」という本を知りました。

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http://www.norashoten.co.jp/books/140.html

 

ニュージランド生まれの児童文学者の方が書かれ本で、重複障害を持って生まれた著者のお孫さんについて、絵本を通しての子育てと発達の関係について発表されたオークランド大学教育学位論文(75年)に基づいています。

 

クシュラさんは、生まれてすぐに身体的な重度の障害が見つかり、病気も繰り返していたため、とても大変な日々が続きました。昼も夜も関係なく、なかなか寝付かないクシュラさんとの時間を過ごすために、お母さんのパトリシアさんは、生後4ヶ月から絵本を読み聞かせるという時間を作るようになったそうです。医師は、知的障害の可能性を繰り返し伝えたそうですが、クシュラさんは絵本にとても興味を持って、物語に身体を反応させたり、興奮している様子を見せていたようです。

 

また、思うように身体を動かせなかったクシュラさんにとっては、絵本を通じて、外の世界を体験する、感じることができ、その結果、言葉を理解すること、それをまた別の場面で使うことを会得し、認知能力を高めることができたのだと著者は述べています。実際クシュラさんが18ヶ月の頃、医師たちが思うほどの認知力、発達力の低さはなく、本で学んだ言葉をたくさん発していたそうです。3歳9ヶ月までに140冊の本を読み聞かせたということです。

 

本を読み聞かせるということは、クシュラさんにとって大きな成長をもたらしましたが、一方読み聞かせをするパトリシアさんにもいい影響を与えているということがわかっています。読み聞かせることで、読む側には、思考や創造力、コミュニケーション、感情のコントロールを司る前頭前野という部分を活性化させるという結果があります。いろいろな心配や忙しい日を通して、心が落ち着かない日も続いたと思いますが、細かな成長を絵本を読み聞かせることで感じることができ、パトリシアさんも心が安定したということです。

 

パトリシアさんは、絵本を通してクシュラさんが成長されて、「礼儀正しく、品のある人に育ったことが嬉しい」ということをお話ししていたそうです。「人間が人間であるためにいつどんなことがあっても礼儀正しく品があることを本は教えてくれる」と。本のチカラで、品のある優しい心の女の子にクシュラさんは成長されたこと、パトリシアさんはそばで実感されていたのですね。

 

他にも日本で障害をお持ちのお子さんについて、一生しゃべれないかもしれないと言われながら、絵本のよみきせを生後3ヶ月頃からしていたことで言葉の成長が大きく見られたというホームページも拝見しました。障害の度合いなどにもより、発達はレアケースであることもあるかもしれませんが、本がもたらした心の成長、礼儀正しく、品がある、優しいなどの価値は計り知れないものではないかと思います。

 

1冊、今日は絵本を娘に読んでみようと思います。優しい心の成長を願って。

 

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