デジタルの絵本が引き出す子どもの発信力
絵本を読み聞かせる時のポイントをいくつかのサイトで目にしました。下記のようなことがどのサイトでも見受けられたように思います。
*子どもを膝に乗せて、子どもの反応を感じながら読む
*内容は言い換えたり、減らしたりしない
*感想は聞かないで余韻を楽しませる
*繰り返し読む
*読む側も楽しむ
絵本を読むことは、子どもと一緒の大切なコミュニケーションの時間になります。大人も子どももいろいろな気持ちを感じて、共感して、笑顔になったり、感動できたら、かけがえのないものになると思います。
http://moomii.jp/kosodate/yomikikaseehon-point.html
では、紙の本とデジタルの本で読み聞かせについて、何か違いはあるのでしょうか?
ある一つの研究での見解ですが、紙の本では読む側の大人が主導になっていて、デジタルの方では子どもが操作したり、進めたりして子どもが主導しているという傾向が見られたというものがありました。作品や仕掛けの違いによるものもあると思いますので、断定はできませんが、デジタルだと音が出たり、何かが動いたりする仕組みがあるので、それを操作するのが子どもになり、自発的に物語の主導権を握って進めていくということはあると思います。
また、デジタルの絵本の方が紙の絵本より本に携わっている時間が長い傾向があり、興味を長く引いているという結果もありました。動くものや音は子どもの興味をかき立てます。その際には、子どもが一人で遊ぶわけではなく、親に語りかけて共感を求め、子どもからの積極的な発話や動作などがあるということでした。絵本をきっかけにして言葉や全身でいろいろな表現をする傾向にあったそうです。
これはある一つの研究結果なので、まだまだ研究の余地はあると思いますが、紙の本は大人が主導で、デジタルになると子どもが主導という結果は面白いなあと思いました。デジタルは子どもを積極的にさせるような興味を引く力を持っているのではないかと感じたからです。
子どもが主体となった時、子どもは大人に見せたり、表現したり、伝えたりすることで大人へコミュニケーションを図っています。その時に大人がそれを受け止めて、感じる心を持っていることで、さらに子どもは表現を高めていくことができるのではないかと思います。読み聞かせというと、どちらかというと大人から子どもに与えるようなイメージが大きかったのですが、子どもからの発信もとても大切なのだと感じました。
紙の絵本もデジタルの絵本も両方共、子どもと大人に一緒に過ごす時間、一緒に感じる時間を与えてくれると思います。どちらも双方向のコミュニケーションを提供してくれると思います。感動できるコンテンツを大切にして、そこに生まれるいい時間を想像して作成していけたらいいなあと思います。これから、デジタルのコンテンツを提供していく時に、子どもが発信できるという視点も加えて、検討していきたいです。