アフリカに広がるネット環境と電子書籍の活用


ブックフェアの際にお客様から、途上国にも電子書籍を届けられるのでしょうか?という質問を受けました。世界に発信したいという思いでこのプロジェクトを進めていますが、実際、途上国などではインターネット環境がまだ不十分です。しかしながら、すごい勢いで広まっているのは事実で、数年後はまた劇的に環境が変化していると思います。

 

今、アフリカでは携帯電話の普及率がすごいです!例えば、ケニアの現状ですが、人口は約4,000万人で、2000年に携帯通信会社最大手のSafaricom社と契約する人は1万7,000人程度でした。しかし、10年後の2010年にはその数は1200万人にまで拡大しました。アフリカ全体でも、所有率が8割前後となっているそうです。

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http://www.garbagenews.net/archives/2259476.html

 

アフリカに携帯電話が普及した背景として、携帯電話のインフラを整えるには、基地を築くことで接続できるというメリットがありました。固定電話であれば物理的な回線が必要なので、工事をするにもとても労力や時間が必要です。携帯電話の基地局であれば、「点」での設置で済み、「線」を引く必要がありません。そのため、固定電話の普及率は、数パーセントという低い数字だそうですが、携帯電話の方が早く普及したようです。携帯電話は文字が読めない層でも利用が可能で、口頭でのコミュニケーションができること、ヨーロッパからの中古機器の流入などもあり、大きく普及することができたという背景があったそうです。

 

実際の携帯の利用は、メッセージでのやり取りが80%、写真や動画の撮影50%、お金の支払いや受け取り30%、ニュースやSNSの利用、健康の情報収集、職探しなどが続いています。いろいろな健康や医療の情報を届けられる手段ができたことはとても大きい結果です。日本では、まず固定電話があって携帯電話が広まるという過程をたどりましたが、アフリカでは違う浸透の過程を経て、広がっています。携帯電話の普及によって、衛星のインターネットへの接続も可能になっています。

 

発展途上国での電子書籍の普及に取り組むスペインのNPO「Worldreader.org」は、2010年にアフリカの識字率の向上のために電子書籍リーダーの提供のトライアルを行ったそうです。携帯電話の普及により、インターネットが利用できるようになったことで、電子書籍のダウンロードも瞬時に行えて、使い方にもすぐに慣れたということでした。携帯電話の充電に使われている風力や太陽光からの電力を利用し、利用の環境にも問題がなかったそうです。その後リーダーの提供も行い、子供たちも読書を楽しみ、先生方も熱心に電子書籍を利用して勉強をしているということです。

 

世界には様々な方法でインターネットを利用できる環境が、劇的に広がりつつあります。先進国とはまた違った方法で急激に普及をしている国もたくさんあり、電子書籍がたくさんの国々に届ける環境も築かれています。環境が整いつつある今だか、世界に届けられるコンテンツ作りを心がけ、識字率の向上や情報の提供に私たちもスピードを上げて取り組んでいきたいと思います。

 

 

 

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