人を動かすことができる絵の歴史と力


人間が特別にできる能力として、文字を使うことと絵を描くこととがあります。文字と絵とどちらが先に始まったかご存知ですか?

 

文字よりも先に絵を使って伝えることが始められました。4万年ほど前の旧石器時代に始められ、フランス・ラスコーの壁画(1万5000~1万年前頃)やスペイン・アルタミラの壁画(1万5000~1万2000年前頃)が有名です。今も残された絵からは当時の狩猟を基礎にした当時の生活の様子などを知ることができます。文字がない時代のことも絵によって理解すること、伝えられていることが沢山あります。

 

Lascaux_painting

https://ja.wikipedia.org/wiki/ラスコー洞窟

 

文字の始まりは、諸説ありますが、紀元前3500年頃と言われていて、メソポタミア文明において人類史上最初の文字「シュメール文字」が開発されました。絵文字を始まりとし、複雑な絵文字を抽象化しました。それを組み合わせて表現を広げていきましたが、多様化するとそのルールを知らないと理解が難しくなってしまいました。そこで音を表す象徴的な記号を表して、それを組み合わせて意味を作るという手法に変わっていきました。

 

文字よりもだいぶ昔に絵で表現することが始まっていたのですね。絵は言葉では伝わらないものもたくさん伝えてくれます。例えば、地図、これは言葉で説明したり、文字で説明したりするより、ずっとわかりやすく理解しやすいです。絵で表現するいうのはまた文字とは別の意味があるのだと思います。絵は、人に伝えるものではなく、表現する楽しさから始まったという分析もあり、絵を描くということにはたくさんの魅力があります。

 

絵本作家・識字教育専門家の田島 伸二さんが長年のアジア地域での識字に関する活動からおっしゃっていましたが、文字を読み書きできない人々を集めて、村が抱えている問題についてのワークショップを開いたときに絵を描くことで伝えるということも取り入れたところ、いろいろな問題が表現されたということです。絵で表現することで、伝えることができ、村の問題が浮き彫りにされ、村に変化が生まれたということでした。

 

絵で表して、人に伝わることが大きな自信となり、それを言葉を話せる人が伝えたりすることで言葉での伝わり方も知ることができたり、いいことがたくさんあったそうです。思いを絵で表すことを繰り返し、気になることを全部かいていくと、文字の表現としては小さなものでも、真相が見えてくることがあるそうです。田島さんは「こころの絵地図分析」という手法を確立したそうです。

 

絵の力は歴史的に見ても世界的に見てもとても大きなものですね。田島さんは「絵には人を動かす力がある」とおっしゃっています。文字と絵で表現する絵本にはきっと人の心や行動を動かすことができる力強いメッセージがあるのではないでしょうか。大きな力のある絵を活用して素敵な絵本を作っていきたいです。

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