いいものを書こうとしなくていい、表現をしてみよう


途上国で直面している大きな問題として、「識字」の問題があります。今の日本では、あまり使われない言葉になっていますが、文字を読む、書くということはどういうことなのか、考えてみました。

 

Child studying hard

 

現在の日本の識字率というのは99%と謳われています。江戸時代就学率、識字率はともに世界一だったという文献も目にしました。その当時の19世紀半ば頃のイギリスの大工業都市での就学率は、わずか20~25%だったそうで、下層階級の子供は10%程度だったそうです。初等教育が18世紀末ごろから始められたフランスでも、当時は10~16歳の就学率はわずか1.4%にすぎなかったということです。そのため、江戸時代の幕末期では、武士階級はほぼ100%が読み書きができた日本の様子を見て、海外から来たペリー、その他海外からの宣教師たちはとても驚き、識字率の高さを書き伝えているということです。

 

しかしながら、日本にも識字の問題は存在していて、障害によって字を読むことが難しい場合や、幼い頃に学ぶことができなかった世代も存在していますし、海外からの居住者たち、最近では、貧困により学習機会が減らされているというような現状も耳にします。識字というのは途上国だけの問題ではなく、世界的に考えていかなければいけない問題だと思います。

 

識字教室というものを開催して、文字を読み書きすることに取り組んでいらっしゃるシャンティ国際ボランティア会のホームページを拝見しました。現在取り組みをされている方が、1990年の国際識字元年に開かれた大沢敏郎さんが主催の識字学級に、勉強のため学習者として参加された時の感想を拝見しました。現在学級を開催されていて、読み書きが不自由なくできる方ですが、講師の方に「好きなことを書いていいよ」と言われた時、書くことができなかったということでした。しかし、文字が読み書きがあまりできない学習者の方たちは、文字は少ないけれどイキイキとした文字を書いていたそうです。

 

学習して書ける人たちが書けなくて、学習をしていない人たちがイキイキと表現をするというのは、意外な結果でとても印象に残っているそうです。これについての考察として、知らないうちに学習している人たちは「いいものを書こう」という意識があり、教育としてもいい作文を書くということを望まれていて、削られたりしてしまうので、のびのびと表現することをやめてしまう、自分を表現することをやめてしまっているというようだというご意見がありました。今まで表現できなかった子供の頃に学べなかった方たちはたくさん表現したいことがあって、それを素直に表現できるからとてもイキイキと表現できているのかもしれません。

 

文字を学習するということは、いいものを書こうとしなくてもいいから、表現してみるということを恐れずにできたらいいのだと、とても実感させられました。誰にでも持っている表現したい気持ちを是非、電子書籍として表現してみてはいかがでしょうか。電子書籍にも自由に出版するという表現を応援する力があると思っています。

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