ドローイングが生んだ創造の世界


「ロード・オブ・ザ・リング」という映画ご存知でしょうか。原作は、「The Lord of the Rings」で、日本では「指輪物語」として、書籍で親しまれているかと思います。著者は、J・R・R・トールキン(1892-1973年)氏で、詩人にして作家、大学教授でもありました。彼は、「エルフ語」をはじめとする約15の言語の発明をし、文献学、言語の研究をしていました。

 

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そんな彼は、指輪物語の前作「ホビットの冒険」から「指輪物語」を書き上げるまでの間、17年もの歳月がありました。トールキンが、どうしてこんなに時間をかけて作品を作っていたか、それは彼がこの物語をたくさんのスケッチをしながら想像し、ストーリーがそのスケッチした絵が、作品の中の歴史と同期するように丁寧に丁寧に作り込んでいったからだそうです。地図やスケッチを描くことで物語に情報を加えていき、アイデアを実験しながら書き進めていったそうです。

 

そして、彼が描いていたスケッチはとても芸術的で、原稿の端やさまざまなところに描かれていたそうです。指輪の落書きやスケッチが描かれていて、彼は指輪を描き、指輪を語り、描いて想像していくことを心から楽しんでいた様子が伝わってくるほどの芸術性だったと言われています。多くの国に人種、文化、建物や環境を頭の中で、想像し、想い描いて、それを地図に配置し、さらに想像を膨らませていく、そうして指輪物語は創られていったのです。

 

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彼にとって、書くことと描くことはリンクしていて、トールキンの物語がイメージを鮮明に現実的に映し出して、冒険心を掻き立ててくれるのは、言葉とイメージが同期したものから生まれたからなのですね。物語を進化させながら、上から新しい紙を重ね何度も地図も描き直していったということです。物語を書いていく過程が、地図を描くことから始まり、そこにストーリーを合わせて展開させていく、だからこそ、絵を描くこと自体が、ワクワクしながらの冒険だったのではないかと思います。

 

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トールキンの絵は、読者が物語にのめり込んでいくための大きな材料となっていて、想像の世界へと引き込んでくれるものです。言語を研究し、極めたトールキンが絵を描きながら、文字を書いていき、素敵な物語を作り上げたことを考えると、絵と文が大きく絡み合っていることは、創造を掻き立てる磨き抜かれた手法なのではないでしょうか。ワクワクさせるようなストーリーが、このような過程を経て、生まれてきたことを知り、さらに奥深く物語を楽しめそうです。

 

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