「えんとつ町のプペル」無料公開、価値はどうなる?
西野亮廣さんの絵本「えんとつ町のプペル」素晴らしい作品ですね。以前から注目されていて、ニュースなどを目にしていました。その全編を無料でインターネット上で公開をしたということで、さらに話題となっています。絵を拝見したときにあまりにも細かい描写で、色彩も見たことがない奥につながっていくような透き通るような絵だったので、わーっと心が揺れる感じがしたのを覚えています。描写が細かくて、眺めていても飽きさせない、吸い込まれてしまうような絵だなあと。お話も芯が通っていて、訴えるものがありますね。4年半という歳月をかけて大作を製作したそうです。じっくりと作り上げて、想いもたくさん詰まっているのだなあと思います。
インターネット上で公開することで、無料で素敵な作品をパソコンやスマートフォンで見られるというのは画期的なことだなあと思います。実際に拝見すると、お話や絵を見ることはできますが、絵本を読む感覚とは全く違うなと感じました。下に向かってスクロールをしていきながら、絵と文字を交互に見ていくので、絵と文字が一緒には見られないし、絵本のように絵と文字を見比べながら見たりというものではありませんでした。お話を知ること、絵を拝見することはでき、それによる西野さんの才能を知ることはできました。
また、作品にはお金をかけて買うという感覚、才能や考えたことの知的財産という点で、クリエイティブなものの価値を下げてしまうのでは?という心配や意見があるようです。クリエイターさんにとっては無料になってしまうと色々な支障があるように感じるのかもしれないですね。誰でも見られてしまうと買わなくなってしまう可能性があるから。西野さん自身もそのようなことをコメントで書いていらっしゃいました。でも実は本屋さんでも私たちは無料で読むことができています。図書館でもそう。そして、本屋さんでは目に止まらないと手にしない。図書館でも同じですね。本を読んだとしても、映画でもまた観ますし、テレビでドラマとなっていても本で読んでみますし、相乗効果みたいなものも生まれてくることもたくさんありますね。
http://spotlight-media.jp/article/370505056378315909より
まずは知ってもらうこと、見てもらうことで価値を考えてもらうこと、そんな提案の仕方、最近はとても増えているのではないでしょうか。絵本とは違うのかもしれないですが、スマートフォンのアプリなんかも無料のもので見てもらう、機能を追加したらお金を払ってもらうとか。パソコンのソフトも、無料でお試しをしてよかったら2ヶ月目からお金を払うようなそんな仕組みはたくさんありますね。無料で読めるコミックも、面白く人気が出たものは単行本になったり、テレビでドラマ化されたり。まずは知ってもらってからのスタート、そういう例は身近にたくさんあります。
まずは知ってもらう!気に入ってもらう!それも価値を高める手段になるのではないかなと思います。きっと気付かずに過ごしてしまっていること、出会っていないことやモノは身の回りにたくさんあります。いろいろなことに才能は知らないけれど、たくさん存在しているからです。知ってこその価値、それはどのようなものも同じですね。絵本も使い捨てではないので内容を知ったら終わりといことはありません。今回、絵本を無料で公開、それは知ってもらうというスタートに立つこと。絵本を楽しむというのは、親子で一緒に読んで、子供がページをめくってこそなので、素晴らしいと感じたり、気に入った方はきっと手にとって、子供のためにまたは親子の時間のために購入されるのではないかと思います。公開されたことで、読んだ方が価値を決められるいい機会を作っているのではないかと思っています。