芸術鑑賞は自由な心の旅


「芸術とは目に見えるものを写すことではない。見えないものを見えるようにすることなのだ。」

この名言を発したのはパウル・クレーという画家です。1879年にスイスで生まれた芸術家です。音楽家一家に生まれて、クレー自身もバイオリンを親しみ、音楽についても熱心に理解を深めていたそうです。その一方で絵画にも興味を持ち、美術学校へ通い、絵を描きたくさんの作品を残しています。

 

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クレーの作品は、ぱっと見て何を描いているかというのはわからないものが多いそうで、タイトルがついていても誰でもわかるものではないようですが、クレーのファンはたくさんいます。最近クレーの絵と、いろいろな日本の方が思いや感じたことを寄せた本を手に入れました。吉行淳之介さん、谷川俊太郎さん、阿川佐和子さんなどたくさんの方がクレーについて、クレーの絵について文章を書いています。それを観ていても、読んでいても芸術というのは感じ方がたくさんあっていいんだな、難しい技法や何派がどうとかそういうことではなく、感じる人次第で好みもあるし好きなように感じる自由があるのだなと。

 

そして、描いた人の意図を完全に理解することも不可能なのかもしれないですね。言葉で表現しきれない部分がたくさんあるし、言葉でできるだけの説明を聞いたところで、その言葉も一致しているとは限らない。だから、芸術への感じ方はその人がそれまでで観てきたもの、感じてきたこと、経験したことがたくさん積み重なっての結果なので、難しいことはわからないですが、その人らしく思うままに観ればいいのではないかなと思うようになりました。

 

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先日伺った画家のAKIさんの個展でも、それをまさに感じさせられました。小さいお子さんが何人も訪れていて、まだ言葉を話せない歩き始めたばかりのお子さんがAKIさんの絵を指差して、ずーっと見入っていました。その前から動かなくて、ずっとお母さんに指を指していて嬉しそう。指の先にいたのはAKIさんが描いた緑のライオン。AKIさんには見えて使い分けられるという30種類の緑色。それを使って描かれてライオンを小さい子を釘付けにしていました。その色が30種類を使い分けているとか、絶滅危惧種のライオンであるとかそんな知識はないはずですが、とても気に入った様子でした。

 

AKIさんの絵が何か目に見えないものを魅せてくれていて、私たちに教えてくれたり感じさせてくれたりしているんだなあと心から思いました。それは大人とか子供とか関係なく、何か惹かれて、心地よくて。そして、そのAKIさんのお父様もまた素晴らしいことをおっしゃっていました。これからAKIさんの絵本を制作するにあたり、観る人が自由に受けとれる絵本にしようと。クレーもAKIさんもいろんな目に見えない世界を観に連れていってくれます。たくさんの人に感動を与える作品を大切に、観る人の心を自由に旅できるように届けていきたいなあと思っています。

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