ニュータイプの兼業農家を生み出そう


もう梅雨は明けたのでしょうか?そんな天気が続いた茨城です。

先日からの九州地方での豪雨被害に遭われた皆さんに、お見舞い申し上げます。

 

ここ2、3日は、本格的に夏が来たな!と思わせる暑さでした。昨日まで本業に集中していたので、久しぶりに畑に帰ってきた感じです。ちょっと見ないうちに、水ナスが鈴なりになっていて、収穫が間に合わないほどです。スイカの実も順調に膨らんでいて、夏休みにみんなで食べるのが楽しみです。

 

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収穫前水ナスの撮影を忘れた、、、

 

うちは、まだまだ父親が現役で農作業をしているので、僕が何日かいなくても問題ないのですが(むしろ僕一人の方が不安…)、兼業農家の場合(専業もそうだけど)毎日誰かが畑に出る必要があり、なかなか家を空けられませんね。休みの日だって必ず一度は畑の様子を見ないといけないですし。特に第2種兼業農家で、農業以外の仕事に重きを置いている場合は、そちらが忙しくなると農業の方に手が回らないということもあるかと思います。

 

■いままでの兼業農家では続かない?■

 

農業に従事する家庭で、世帯員のうち何人かが農業以外の仕事から収入を得ている農家を兼業農家と呼びますが、そのうち農業収入が兼業収入より多い農家を第1種兼業農家,逆の場合を第2種兼業農家といいます。戦後,日本の工業化が進むにつれて兼業農家の数は増加していって、特に第2種兼業農家が第1種兼業農家を追い越して、その差を年々大きくしていってます。我が家も御多分に洩れず、父の代から第2種兼業農家です。農家の数が減っていくにつれて、兼業農家の数も減少の一途を辿っています。

総農家数でみると、平成17年が284.8万戸だったのが、平成27年には215.5万戸となり、10年で約69万戸減っている状況です。兼業農家はどうかというと、第1種兼業農家が30.8万戸から16.5万戸に、第2種兼業農家が121.2万戸から72.2万戸に減少しているんですね。

(農林業センサス、農業構造動態調査(農林水産省統計部)より)

 

農業をやめる原因のひとつに、担い手不足があるかと思います。最近は就農や農業女子などがメディアで取り上げられ、なんとなく農業がトレンドとなっていますが、現実はなかなか大変ですよね。機械化やIT化進んで、昔よりも作業量は緩和されているかもしれませんが、規模によってなかなか収益が追いつかないということもあると思います。

 

■過疎地域でどうやって農業を続けていくか?■

 

うちは茨城県の土浦市という、田畑と山に囲まれた地域にあるのですが、過疎が進んでいることは間違いありません。僕が通った小学校も今年で閉校になり、3校が統廃合されます。昔は全校生徒が400人くらいいたのですが、今年は6年生が17人で、全校生徒でも90人いません。閉校や廃校は、遠いどこかの地域の話かと思っていたけど、自分の通った学校がなくなるとなると、すごくリアルに感じますね。

 

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五月に開催された地元小学校最後の運動会

 

うちの集落は、僕の祖父たちの世代が、もともと雑木林だったところを12人で開墾して、土地を2町歩(6,000坪)ずつ分けて暮らし始めました。当時は当然みな農業に勤しんで、中には起業して兼業になった人もいます。そのうち、農業よりも儲かる商売や事業が中心になっていき、ほとんどの家が耕作放棄地となった農地を売りに出しました。元の2町歩がほぼそのまま残っているのは、我が家だけです。それもこれも、必死で田畑を守ってきた祖父と父のおかげです。特に父については、地元で教員をしながら、出勤前に畑に出て、夕方帰宅と同時に田んぼに行き、休日や祝日は休まず農作業といった生活を50年続けてきました。頭が下がりますね。きっとほかの兼業農家のお宅のお父さんも、同じようなパターンなのではないでしょうか?

 

■働き方の多様化と人材資源の活用がポイント■

 

先祖伝来の土地を一人で頑張って守っていく、というのにも限界があります。

長崎県平戸市木ケ津町で、営農困難になった高齢農家に対して、障害者就労支援事業所の皆さんが、種まきや収穫作業、休耕地や庭の草取りなどを依頼できるという、作業代行サービスを展開しているそうです。

ー 高齢農家に対して作業代行サービス 障害者就労事業所・木ケ津文庫「絆」 支え合い農業一翼担う (西日本新聞)

僕も以前、埼玉県にある障害者就労支援B型の事業所を見学させてもらったことがあります。ここは、最近どこでも見かける半セルフタイプのうどんチェーンの青ネギを栽培していました。植える時期を少しずつずらして5毛作を実現させていました。こういったシルバー人材や、障がい者の皆さんに作業をお願いし、雇用も生み出すという取り組みもいいでしょうね。

 

 

あとは、PCやネットを使って在宅や遠隔で仕事をしている人って、最近多いのではないかと思います。まさに僕もその一人です。僕の場合朝夕畑に出ますが、基本的に勤務が在宅なので、朝は勤務スタートギリギリまで草を刈っているし、夕方はちょっと席を外して水やりにも出られます。ネット環境や働き方の多様化が進む中で、地方にオフィスを構えたり、実家のある地方に戻って、農業をしながらアプリを作るといった人たちも、今後ますます増えていくものと思います。

耕作放棄地は太陽光パネルに変わるのがトレンドとなりつつある地方において、新しい形の兼業農家が増えて、自給率を向上させることを考え直す必要があると思います。そして、何よりも楽しみながら仕事も農業も続けられる仕組みづくりと、環境づくりが大事になりますね。

僕もノマド農家の一人として、この過疎地域において新しい兼業農家のカタチをつくっていきます。

 

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