働き方改革で新たな兼業農家スタイルを
■夏野菜が続々とできています
今年も夏野菜がすくすくと育っています。とうもろこしは一部カラスにやられてしまい、出荷できなくなってしまったけど、オクラや水ナス、そして今年初のひなたスイカが元気です。農業をやっていて一番嬉しいのが、この収穫の時でしょうね。色々大変なことも多いですが、作物がだんだん大きくなって、収穫できた時のことを想像すると、ワクワクします。
■兼業農家の日常
僕は兼業農家なので、基本的には休日と朝晩農業の仕事をしています。農家の仕事は屋外での作業が中心になることが多いため、日照時間に合わせた労働スタイルになります。だから平日は朝と晩。朝早くから起きてきて日が昇る時間には作業を始め、日が沈む夕方頃には作業を終える。まさに太陽とともに働いている感じですね。
作業の内容は、時期によって大きく異なります。土づくりをする時期であれば畑に肥料を撒いて、植えつけの時期には苗を植えたり、種を撒いたり。収穫の時期には朝から収穫をして出荷の準備。7月のこの時期は専ら草刈りです。とにかく毎日どこかの草を刈っていますね。当然刈り払い機などの機械を使いますが、それでも毎日刈らないと追いつかないくらい成長が早い。だからいつも朝から草を刈って、仕事に向かいます。
そんな日常を人に話すと、「仕事をしながら農業って大変でしょ?」「いつ寝てるの?」「儲かるの?」なんて聞かれます。たしかに大変なことも多いですよね。草刈りは毎日だし(夏だけですが)、休日はほとんど畑に出るし、水撒きや消毒の作業もある。まあ、寝てはいますけどね。僕が電車で1時間以上のオフィスに毎日通っていたら、それはそれは大変だと思います。でも僕は、基本が在宅勤務で、時々打合せなどで都心部に出向くという生活をしているので、そんなに朝晩の作業も苦にはならないんです。
■働き方を改革してみよう
先日、東京都の小池知事が、長時間労働の削減など働き方改革に積極的に取り組む都内13の企業を「東京ライフ・ワーク・バランス企業」として認定しました。認定されたのは、社員の有給休暇取得率が100%の企業や在宅勤務制度を導入している企業など、働き方改革を実践する都内の13社で、小池知事から東京ライフ・ワーク・バランス認定企業としての認定状が授与されました。
また、職場から離れた場所で働く「テレワーク」を推進するイベントも開かれて、小池知事自身が、育児や介護をしながら在宅で働くことができる「テレワーク」も体験していました。テレワークを導入している企業は2015年末現在で全国で約16%で、都は2017年度の予算案でテレワークを推進する事業などに約4億円を計上しています。
小池知事は「テレワークを働き方の一つとして定着させ、いつでもどこでも仕事ができるようになればいい」と述べ、都として普及を後押ししていく考えを示しています。子育てや介護などで仕事を辞めざるをえないといった問題の解決もありますが、僕は農業の後継者問題の解決にもなると考えます。
農業の後継者問題には、収入などのこともありますが、農業従事者の都市部への流出などによる農家の減少が課題となっていまると思います。また、農業に興味があっても収入面の不安などから、なかなか踏み出せない人も多いでしょう。現在では、国が新規就農者への給付金を支給したり、地方移住者に農業用の土地を安く提供したりといった取り組みが開始されていますが、テレワークによる働き方を導入し、遠隔での就業を日常化していくというのも、就農への手助けになるのではないでしょうか。
日本の農業の問題は、減反と兼業農家と言われたりしますが、これまでの兼業農家とは違った働き方をつくっていくことで、日本の農業も変えられるのではないかと考えます。
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