森で免疫力を高める
夜は入山しない方が良いという筑波山 (画像はWikipediaより)
年の初めに毎年登る筑波山。
何をしに行くかといえば、特に参拝するわけでも温泉に入りに行くわけでもない。
ただ、地元地域を見守っているこの山に寄り添いに行くだけです。なんとなく行って自然に触れたいだけ。
昨日も森林浴をしながらゆっくりと筑波山歩しようかと思って向かいましたが、麓から大渋滞…。
車で来るんじゃなかったと後悔しながら、やっぱり今年は自転車を新調しようと決心しました。
仕方がないのでいつもの公園へ。
この公園にも月に2回程度訪れますが、多種多様な樹木と野鳥や昆虫が存在していて、とても居心地のいい場所です。
生物や樹種の多様性を感じられる洞峰公園 (画像はWikipediaより)
以前森林管理士の資格取得の際に、森林セラピーに関する講座も受講しました。
日本医科大学医学部准教授であるNPO「森林セラピーソサエティ」の李卿理事曰く、「医学的なエビデンスに基づき、予防医学の観点で森林浴を健康に関与させているのが『森林セラピー』。それを実験結果などで科学的に評価しようというのが『森林医学』」ということです。
講座でも森林が人体に与える影響について学びましたが、エビデンスはともあれ、実際に森林の中に身を置いたり歩いたりすることで、肉体的にも精神的にもリラックス効果が得られると、僕は実感しています。みなさんはいかがですか?
ところで前出の李卿教授が、約10年間ずっと森林浴の研究を続けてきて、生活習慣病予防など様々な健康効果があることが分かってきたそうです。その重要な効能の一つが「NK細胞活性によるがん予防」
下図は、2006年に30~50代の日本人男性12名に、長野県上松町で2泊3日の森林セラピーを受けてもらい、その後1カ月間のNK活性の数値を追跡調査したものだそうで。被験者は檜林の中で一日散策したり、ベンチに腰掛けて景観を楽しんだりするだけ。結果は森林浴前に平均18%だったNK活性が、セラピー終了1日後、約26%に上昇。2日後27%、7日後26%、30日後22%という結果が出て、効果は長く持続したとのこと。
2泊3日でも効果が見られますからね。毎日少しずつでも継続的に森林の中に身を置くことはNK細胞の活性に大変効果的だと思います。無理にウォーキングやトレッキングをする必要もなく、景観を楽しむとか深呼吸するだけでも違うのではないでしょうか?
森に入ると特有の香りがしますよね?樹木などの植物が発散する「フィトンチッド」
フォトンチッドは殺菌力を持つ揮発性物質で、住宅建築の祭もシロアリ予防の重要な成分です。フィトンチッドは、呼吸で血液内に吸収されると免疫系に直接作用して、NK活性を高めてくれるといわれています。さらにストレスホルモンを減少させる効果もあるそうです。まさに情報に呑まれ、日々なんとなく慌ただしい現代人にとって、森林セラピーや森林浴はとても大事な処方箋かもしれません。
可能なら、リラックス効果が森林医学の面から専門家に実証され、さらに関連施設などの自然・社会条件が一定の水準で整備されている地域である「森林セラピー基地」に行くといいですが、忙しくて森になんて行ってられないという人は、近所の緑の多い公園でもOKだそうです。都心部にも代々木公園のような、緑豊かな場所がありますもんね。
我が家にも竹林や杉林はありますが、より多様種の森を求めるのは、きっと自分の体が今の状態に合った処方箋を求めているのかな?みなさんも、仕事の帰り道やお休みの日に、少しだけ緑の木々の中を散歩してみてはいかがでしょう。木々たちが心身を浄化してくれるかも?
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