市民の力で課題を解決する時代
シャンティ国際ボランティア会という団体をご存知ですか?
1980年カンボジア難民の緊急救援活動として、曹洞宗東南アジア難民救済会議(JSRC)が設立され、翌1981年の緊急救援活動プロジェクトの終了にあたり、JSRCのボランティアの有志が、それまで行っていた活動を継続させるため立ち上げたのが、シャンティ国際ボランティア会です。1981年に設立以来、アジアでの教育・文化支援や国内外の緊急救援の活動を行っています。
1981年カンボジア難民キャンプ(カオイダンキャンプ)図書館の様子
具体的には「本を読む機会の提供」「人を育てる」「安心できる場所をつくる」を3つの柱にしていて、本を届ける活動や移動図書館、学校や図書館の建設に尽力されています。
シャンティさんで特に有名なのは、「絵本を届ける活動」でしょうね。
世界で字の読み書きができない人は7億7500万人いると言われていますね。世界の全ての大人の6分の1です。すごい数字です。
字の読み書きができないことで、仕事に就けず、貧困に陥るケースが多く見られます。危険地帯への侵入や、薬の飲み方を間違えるなど命の危険にもさらされます。シャンティさんは、“本を開くことは、未来を拓くこと。”をキーワードに、「本を知らない子どもたち」に「本の力」に出会う機会を提供し続けています。その活動も35年です。すごいね。
そんなシャンティさんが先日クラウドファンディングにチャレンジされ、「まだ本を知らないアジアの子どもたちへ、10万冊の絵本を届けたい!」というプロジェクトを達成されました。350万円を集めるプロジェクトだったのですが、365万1,500円が集まったそうです。僕も微力ながら協力させてもらいました。
今回シャンティさんの他にも、僕がエシカルピープルで取材させてもらった、シャプラニール=市民による海外協力の会さん、かものはしプロジェクトさんもチャレンジをしていたのですが、いずれも達成しています。さらにちょっと前ですが、僕がずっと応援し続けているバナナペーパープロジェクトを進めているワンプラネット・カフェさんも、ザンビアでの工場建設の費用をクラウドファンディングで集めました。
これってすごいことじゃないですか?
明らかにこれまでとは資金の集め方が変わってきていますよね。
国際協力NGOの団体だと、元々が寄付金を集める活動をされているので、その延長という見方もあるかもしれませんが、それでも社会的課題の解決に対して、100人以上の人たちが投資をするわけです。もちろん配当など期待していません。「アジアやアフリカ諸国で苦しむ人たちの役に立ちたい」みんなそういう気持ちで協力していると思うんですね。
そう思うのも、活動している人たちをよく知っているからではないかな?今回のシャンティさんに関しては、僕は担当されていた神﨑さんとお会いして話をしていました。でも、日々チャレンジの様子をSNSで発信し、協力してくれた人たちとコメントで交流したり、写真を載せたり。こちらも自分の周りにシェアしたり。資金の集め方の変化は、このSNSの隆盛も手伝っていますよね。SNSで発信しないと存在していないのと同じという話も聞きますが、まさにそういう時代になってきましたね。
で、シャンティ国際ボランティア会の神﨑さんから、協力のお礼と報告そしてメッセージを頂きました。
こういうのはすごく嬉しい。神﨑さんのメッセージには、「応援嬉しかったです」と書いてありました。そう言われた僕の方が嬉しいですよ!
SNSで簡単に世界中の人と繋がれる時代。だからこそ相手を思う気持ちはこれまで以上に大切にしたいですね。
10万冊の絵本がアジアの子どもたちの手元に届く日が楽しみです。
明日からのブックフェアには100万冊の本が集まります。その中には絵本もいっぱいあるんだろうな。
明日集まる絵本もいつかアジア諸国の子どもたちに届くように。僕たちも頑張って支援しなきゃね。
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