人々の記憶を電子書籍で後世へ


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以前母の誕生日にプレゼントした電子ピアノ。最近になってうちの娘がよく弾いてます。

音符が読めないんですが、本人曰く感性で弾いているとか。すごいな(笑)。うちは田舎なんで、一番近い隣の家まで40mくらい離れています。次の隣家で80m、その次が130m。回覧板を車で届けているくらい。だからピアノを弾いても、バイオリンを弾いても、フルートを吹いても迷惑になることはありません。娘が弾く、途切れ途切れのアナ雪のテーマに、ストレスを感じる人は周囲にはいません。僕くらいかな(笑)ともあれ、近隣の迷惑を気にせずピアノを弾けるなんてのは、田舎のメリットの一つですね。

 

僕は「戦場のピアニスト」という映画が好きで、劇場で3回観たうえ、DVDを買って何度も何度も見返していました。特に好きなシーンが、ドイツ軍が迫るポーランドの民家で、主人公であるウワディスワフ・シュピルマン役のエイドリアン・ブロディが屋根裏に隠れ、ピクルスの缶を持ち歩きながら、その家に置いてあったピアノを弾くシーン。ドイツ軍に見つからないように、エアピアノで。そのシーンの凛とした空気感と、息遣いが息苦しくも美しくて。そして、ついにドイツ軍将校に見つかってしまうものの、ピアノを弾いてみろと言われ、ショパンのバラード第1番を奏で上げて、命を救われる。エイドリアン・ブロディが実際に弾いていたいうのが、さらに臨場感を出していましたね。

 

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ピアノを弾きたくても弾けない、話をしたくても話せない、生きたくても生きられない、戦争や紛争は、戦死する兵士や殺戮された人々はもちろん、普通に生活をしていた市民一人一人に被害と、苦痛を与えるもの。第2次大戦中にナチスドイツによるユダヤ人迫害、いわゆるホロコーストの映画は、戦場のピアニストの他にも、「シンドラーのリスト」「黄色い星の子供たち」「ぼくの神様」「縞模様のパジャマの少年」「ライフイズビューティフル」などたくさんありますが、どれをとっても凄惨な状況を物語るものばかりです。

 

僕たちは映画という形で、当時の状況を観て感じることができます。それは、犠牲者の日記や語り継いでいく人たちがいるからこそ叶うことです。「アンネの日記」は特に有名で、全世界で既に2,700万部以上が出版されていますね。そういった犠牲者の方々の日記は、「アンネの日記」以外にもいくつか残っているそうですが、戦後70年以上の時を経て、紙自体が劣化しており、そのみなさんの子孫も高齢化していることから、保管しておくことが困難になってきているとのこと。

 

そこで、アメリカのホロコースト記念博物館では、現存するホロコースト犠牲者たちの日記約200冊を、デジタル化して保管したうえで、ウェブ上で公開していくと計画を進めています。費用は、クラウドファンディングKickStarterを通じて募金を集めているとのこと。計画では、2018年冬までに200冊以上の日記をデジタル化、2019年春までには公開していく予定だそうです。

 

 

日本でも戦後70年が経過して、太平洋戦争や原爆投下を実際に経験された方々が少なくなる中で、その事実をデジタル化して残すということを進めていく必要がありますね。映画やドラマ、小説でも良いですが、やはり当事者の手記や日記はとても貴重なものだと思います。

 

いま僕たちは、シリア大使やシリアの人々の声を本にして発信するプロジェクトを進めています。2011年から続くシリアにおける紛争。長期間、シリア国内における内戦という報道がなされてきましたが、ようやくここに来て、歴史的背景を含めた事実の部分が明るみなってきました。(ネットでは以前から明かされてきたことですが)

国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR)の統計によると以下のようになっています。(2017年2月1日現在)
シリア国外の難民の数490万人、シリア国内にとどまっている難民の数660万人と言われています。この人々の中にも直筆の日記や、ブログを残している人が数多くいるのではないかと思います。この紛争に終わりが見え、シリアの人々に安寧な暮らしが戻ったとき、今回の歴史的事実を後世に残していく必要があると思うのです。70年後、デジタル技術はどこまで進化しているか見当もつかないですが、どんな進化にも対応できるよう、あらゆる媒体で保存することが肝要ではないでしょうか。

僕たちは電子書籍を使うことで、大切な人類の記憶を後世に伝えていきたいと思います。

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