30年後、彼らはどんな扱いを受けているのでしょ?
日中あたたかくて、朝晩とっても寒い。この時季らしい日が続きますね。
三寒四温というのか朝寒昼温というのか、だんだんと陽射しの温もりを感じるこの季節は好きだなぁ。
なんて思いながらスギの森を歩いてきました。
森の中を歩くと体の疲れも心の重みも軽くなる気がします。
でも花粉症の人だと、逆に全てが重く感じてしまうのでしょうね。
今年も、花粉の話題が出てきましたね。
僕は生まれてこのかた植物系のアレルギーは一切無いので、そのつらさは全く解りません。周りにはたくさんいるので、見ているこっちも辛くなりますが…。
毎年、「今年は例年より多い」「過去最大量!」「まだかかっていない人も要注意!」などの言葉が新聞紙上を賑わしますが、そもそもの対策って考えないのかな?なんて思っていたら….
今朝の読売新聞に載っていた、無・少花粉スギに補助金を出すという記事。
森林所有者が、花粉の多いスギの人工林を伐採し、花粉のない品種や少ない品種の苗木に植え替える場合、費用の一部を負担する…というもの。
「ほほぉ〜、なるほど」
相変わらずの人任せというか、「金は出すからさ」的な発想じゃないですか?
そもそもこれって、戦後の植林事業で国が植えろ植えろとやってきて、育ったはいいけど売り先無いわ、価格は暴落するわでどうにもならなくなった代物じゃないの?
林業の担い手がいないと言われている昨今、金出すからお前らで植え替えろってすごい話だなと思った次第です。そういう風に思うのは良くないのでしょうけど…。
さらに言えば、ここ数年で植え替えを進めたとして、そのスギが収穫期を迎えるのが30年後の2050年頃、この時この国はどうなっているのでしょう?
今のように花粉症に悩む人が国民の7割を超える時代になっているのかな?
木材の価格は相変わらず暴落しているのかな?
地下資源が枯渇し、地上の資源である木材の利用が活発になっていたりしないのかな?
木材が足りない、なんで無・少花粉のスギなんて植えたんだ!ってことにならないかな?
そもそも人類はどれほどの数が残っているのかな…?
なんて考えてしまいます。
いまの花粉症対策という局面だけ切り取って、また未来に負の遺産を残すことにならないことを願いたいですね。もちろん、識者のみなさんが考え抜いて出した答えでしょうから、そんなことにはならないと思いますが。
てことで、是非とも今回は、担い手を育成するため、伐採した木材を有効利用するため、その木材を住宅資材として活用するためにも補助金を回して欲しいなぁと思います。
ちなみに、うちのスギ山もすでに40年になろうとしています。
祖父がこの地を開墾した当時、将来家を建てるために植えたスギ。
僕は補助金をもらっても、このスギをいたずらに伐採する気はありません。
有効に活用できる仕組みを個人レベルで考えていきたいと思っているのであります。
でも周囲から「お前のところの花粉が!」って言われたら、どうしたもんかなぁ….