「人の行く裏に道あり花の山」――AI時代、アナログという「宝の山」へ
公開日:
:
最終更新日:2026/07/14
未分類
「人の行く裏に道あり花の山」
AI時代こそ、アナログという「宝の山」へ
世の中がAI(人工知能)やシステム化一色に染まる今、
私たちはある種の「狂騒曲」の中にいるのかもしれません。
誰もが競うようにデジタル技術を導入し、効率化の波に乗ろうと躍起になっています。
しかし、株式投資の格言に「人の行く裏に道あり、花の山」という言葉があります。
これは、多くの人が群がる「表の道」ではなく、
あえて人の行かない「裏の道」にこそ、美しい花が咲き誇っているという意味です。
今の時代に当てはめるなら、AIや自動化に突き進む社会の潮流の「裏側」にこそ、
次の10年で最も価値を持つ「宝の山」が眠っているのではないか。
今回は、この「裏側の価値」について深掘りしてみましょう。
デジタルが進化するほど、「人間」の希少価値は上がる
今後10年、市場は確実にAIによって生産効率が極限まで高められます。
しかし、皮肉なことに、効率が極まれば極まるほど、
人々は「非効率なもの」「人間味のあるもの」「体温を感じるもの」に飢えるようになります。
例えば、AIが完璧な接客マニュアルを生成でき、
ロボットが配膳をこなすレストランは増えるでしょう。
だからこそ、逆に「店主の気まぐれな愛嬌」や
「お客さんの顔を見て、あえて言葉を添える」といった、
AIには模倣できない「余白」が、最高級の付加価値になるのです。
今、私たちが注目すべきは、AIという「表の道」の裏側に広がる、
人間特有の温もりや信頼が主役となる市場です。
ここでは、特に今後10年で市場価値が高まると予測される3つの分野を挙げます。
1. 「職人技」という名のストーリーテリング
AIは精密なものを作るのは得意ですが、
「その製品に宿る物語」や「作った人の息遣い」を売ることはできません。
これからの職人や伝統工芸は、単に「物」を売るのではなく、
その背景にある物語や、作り手の哲学という「体験」を売る市場へとシフトします。
例えば、ただの木工品ではなく、顧客の目の前で製作し、
その過程にある苦労やこだわりを語り合う
「ライブ型クラフトショップ」のような業態です。
ここでは、AIによる大量生産品とは比較にならないほどの高付加価値が生まれます。
2. 「経営者交流会」をはじめとするリアルのコミュニティ
オンライン会議やメタバースが進化すればするほど、
「同じ空気を吸い、同じ温度の握手を交わす」ことの希少性は爆発的に高まります。
特に経営層やリーダー層においては、
AIには代替できない「深い人間関係」や「非言語的な信頼の構築」
がビジネスの成否を分けるようになります。
今後10年は、単なる交流会ではなく、
参加者が互いの志を深く共鳴し合えるような、
極めて濃密で閉鎖的(あるいは選別された)な
リアルコミュニティの価値が市場価値として天井知らずになるでしょう。
3. 「パーソナルな伴走者(コンシェルジュ)」サービス
AIは統計データから「平均的な正解」を導きますが、
人生の岐路に立つような「たった一度の決断」には、
心からの共感と個人的な責任を伴う対話が必要です。
例えば、個人のヘルスケアや相続、事業承継などにおいて、
AIのアドバイスに加えて、最後に「あなたの人生なら、こうすべきだ」
と背中を押してくれる生身の人間のアドバイザー。
この「人間による伴走」こそが、AI時代における最強のプレミアム・サービスとなります。
「裏道」を進む者にこそ、本質的な収穫がある
これらの分野に共通するのは、「あえて手間をかけること」です。
効率化を突き詰めれば、手間は徹底的に排除されます。
しかし、現代社会において「手間」とは、
もはやマイナスではなく「愛」や「信頼」を
醸成するための欠かせないプロセスそのものなのです。
今後10年、世界はデジタル化によって洗練されるでしょう。
しかし、その裏側で、「人間であることの豊かさ」
を取り戻したいという欲求は、かつてないほど強まっています。
青山のイタリアンレストラン「カシータ」の高橋社長。
サービス、ホスピタリティーで盛況のレストラン。
ここには、通常人件費と思われるホールスタッフが倍以上いる。
お客さまを待たせない、心がこもったサービスを真摯に大切にしているからだ。
行ったことがある方は、よくわかると思う。
これは、リピートでいったときに既にテーブルにセッティングされている。
手書きの言葉にも、温かさを感じます。
特に顧客と接点がある会社は、
「感じがいい」をどう創造できるか。
これが一つのポイントだと思います。
感じがいい、という演出には、人のもつ温かさ、
ホスピタリティーが現れやすく、
しかしながら、社会では逆方向で、
その部分をロボットだったりAiなどで代替しようとしています。
流行や新しい技術を否定する必要はありません。
ただ、その巨大なトレンドが作る「影」に目を向けてください。
AIが自動化する領域ではなく、
AIによって「人間らしさがより際立つ領域」にこそ、
私たちビジネスパーソンが仕掛けるべき「花の山」が待っています。
「皆と違うことをする」ということは、最初は孤独かもしれません。
しかし、それこそが、次の時代を切り拓く先駆者としての特権です。
AIにすべてを任せるのではなく、
AIという最高の助手を抱えながら、自分自身の「人間としての深み」
を市場にぶつけていく。そんな戦略こそが、
これから10年の勝者になるための条件ではないでしょうか。
さあ、皆さんも「AIの先」にある、まだ誰も見つけていない「宝の山」を探しに行きましょう。
皆さんは、ご自身の事業や仕事の中で、
あえて「デジタル化せず、あえて手間をかけている部分」はありますか?
実はそこに、あなただけの強みが隠れているかもしれません。
石川博信
最新記事 by 石川博信 (全て見る)
- 「人の行く裏に道あり花の山」――AI時代、アナログという「宝の山」へ - 2026年7月14日
- 上杉鷹山の「為せば成る」精神 - 2026年7月7日
- 1年の計は元旦にあり、そして「折り返し」にあり - 2026年6月30日
セミナー・研修情報
*コロナ化の為一部個別相談としているセミナーも御座います。
●石川博信への執筆・講演・セミナーのご依頼はこちらから
●まだSNSで繋がっていない方はこちらから繋がれます
友達申請の際は一言「ブログを見ました」など頂けると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
関連記事
-
-
稲盛和夫氏の言葉 情熱と意志
2017/04/26 |
京セラ創業者にしてJALの再建でも手腕を振るった稲盛和夫氏 示唆に富む言葉には学ぶべきことも多...
-
-
仁和寺で行われる献米供は新嘗祭と共通するものがある。
2023/11/28 |
仁和寺にあるすっきりしたダイニングは皇室の方々がくつろがれる場所です。 真言宗(しんごんしゅう...
-
-
なぜ監視社会へ向かっているのか
2021/09/20 |
監視社会は誰が誰を監視しようというのか スノーデン。元...
-
-
YKK創業者 吉田忠雄 循環経営の凄さ
2025/07/22 |
経営者で学ぶ人は多いですが、 YKKの吉田忠雄氏は参考になる部分が多いと思います。 ...
- PREV
- 上杉鷹山の「為せば成る」精神
































