市原市の製造業を次世代へどうつなぐ?人材・技術承継・AI活用を考える
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市原市の国分寺。かつて東国の重要拠点であったことがうかがえます。
仏教の力で国を安定させようとした聖 武天皇が全国に建立を命じた僧寺と尼寺からなる寺院で、
僧寺の正式名は金光明四天王護国之寺です。 出自:ウィキペディア
私の地元、市原市の話。
私は五井出身です。
日本の社会的課題でもある、企業の人材採用、後継者問題。
市原市は日本の縮図といわれるように、
製造業、サービス業から農業まであり、人口は約26万八千人。
そして市原市は、日本を代表する「ものづくりのまち」の一つです。
市原市の公式資料によれば、2020年の「製造品出荷額等」は全国の市町村で第2位。
現在も全国トップクラスの工業都市です。臨海部には日本有数の石油化学コンビナートがあり、
一方で内陸部にも、優れた技術や技能を持った中小企業が数多くあります。
凄いですよね!
ちなみに、一位は豊田市です。
これだけ聞けば、市原市の製造業には明るい未来が待っているように思えるかもしれません。
しかし私は、そう簡単ではないと思っています。
人材不足。採用難。後継者不足。そして、長年培ってきた技術を誰が次の世代へ引き継ぐのか。
これは市原市だけの問題ではありません。
日本の中小製造業全体が、いま非常に大きな岐路に立っているのではないでしょうか。
そして私は、何より大切なのは、
「会社を残すこと」も大切ですが、「そこで培われてきた技術を残すこと」
だと考えています。
市原市は日本有数の「ものづくりのまち」
市原市というと、養老渓谷、小湊鐵道、ゴルフ場などを思い浮かべる方も多いでしょう。
ゴルフをやっている方は、いらしたことあるかもしれませんね。
しかし産業という面から見ると、市原市にはもう一つ大きな顔があります。
それが製造業です。
臨海部には200を超える石油化学関連の工場が立地し、市原市の製造業を支えています。
また、内陸部には市原特別工業地区や潤井戸工業団地などがあり、さまざまな中小企業が集まっています。
大企業だけではありません。
機械加工、金属加工、設備、保守、運送、建設、部品製造など、産業を下から支えている地域企業がたくさんあります。
私は、ここにもっと光を当てる必要があると思っています。
中小企業にとって、人材確保は「待ったなし」の問題
中小企業の経営者と話していると、よく出てくるのが、
「求人を出しても人が来ない」
「若い人を採用できない」
「技術を教えたいが、教える相手がいない」
という話です。
これは感覚だけの話でもありません。
2025年版中小企業白書では、
中小企業・小規模事業者が最も重視する経営課題として「人材確保」が最も多く挙げられています。
また、小規模事業者では「事業承継」も大きな課題となっています。
そして、これは時間が解決してくれる問題ではないと思います。
むしろ時間が経てば経つほど、厳しくなる可能性があります。
だからこそ、待っていてはいけない。
今までの求人方法、今までの採用方法だけではなく、新しいことにも挑戦する必要があります。
本当に失ってはいけないものは「技術」ではないか
後継者問題というと、
「誰が社長になるのか」
という話になりがちです。
もちろん、それも重要です。
しかし、私がもっと心配しているのは、何十年とかけて培ってきた技術やノウハウが失われてしまうことです。
機械の音を聞くだけで異常が分かる。
材料を触っただけで状態が分かる。
図面には書かれていない加工のコツがある。
長年の経験から「ここは危ない」と判断できる。
こうした技術は、一朝一夕には身につきません。
そしてベテラン技術者が退職したり、後継者がいないまま会社が廃業したりすれば、
その技術まで一緒に消えてしまう可能性があります。
それは一企業の問題だけではありません。
地域全体、さらには日本のものづくりにとっての損失ではないでしょうか。
中小企業は、もっと自分たちの魅力を発信していい
では、どうしたらいいのでしょうか。
私はまず、
「自分たちの魅力を伝えること」
だと思っています。
中小企業には、外から見ると驚くような技術がたくさんあります。
ところが会社の中では、
「こんなの普通だよ」
「昔からやっているから」
となってしまう。
これは、もったいない。
若い人は、会社名や給料だけで就職先を選んでいるわけではありません。
「どんな人が働いているのか」
「何をつくっている会社なのか」
「自分の仕事が社会の何に役立つのか」
「どんな技術が身につくのか」
「どんな社長なのか」
こういうことも知りたいはずです。
そこで、もっと活用できるのがSNSやショート動画だと思います。
実際、2025年版小規模企業白書でも、SNSを活用している事業者の方が、
活用していない事業者より「予定人数を採用できた」と回答する割合が高いことが示されています。
もちろんSNSだけで採用問題がすべて解決するわけではありませんが、
自社を知ってもらう入口として大きな可能性があります。
工場の中には「コンテンツ」がたくさんある
例えば、
職人さんが作業している様子。
巨大な機械が動いているところ。
一つの製品が完成するまで。
入社3年目の社員へのインタビュー。
社長がこの会社を始めた理由。
「実はこんなところに、うちの製品が使われています」という話。
失敗して技術を身につけた話。
こうしたものは、会社の中では日常かもしれません。
しかし、外の人には新鮮です。
企業の当たり前は、地域にとっての宝物かもしれない。
私はそう思っています。
AIは「人を減らす道具」ではなく「人の力を生かす道具」にできる
もう一つ、これから中小企業が積極的に取り入れるべきものがAIだと思います。
AIというと、
「仕事を奪われるのではないか」
という話になりがちです。
私は少し違う見方をしています。
人が足りないのであれば、
人でなくてもできる仕事をAIに任せ、人にしかできない仕事に人の時間を使う。
これが重要なのではないでしょうか。
見積書の下書き。
議事録。
マニュアル作成。
メール。
営業資料。
社内の情報検索。
問い合わせ対応。
データ整理。
そして、将来的には技術継承にも使える可能性があります。
2025年版中小企業白書では、南部鉄器を製造する企業が、
熟練職人へのヒアリングなどをもとにノウハウをAIで学べる仕組みにし、
若手育成に活用している事例も紹介されています。
さらに2026年版中小企業白書でも、生成AIを活用して社内システムを開発し、
労働時間削減や生産性向上につなげた中小企業などが紹介されています。
これは非常に面白いと思います。
ベテランの頭の中にある知識を、会社の財産として残していく。
AIには、そんな使い方もできるのではないでしょうか。
行政にも、まだできることがあると思う
そして、企業だけに頑張ってもらえばいいとも思いません。
行政にもできることがあります。
市原市ではすでに、小学生がものづくりに触れる「ものづくりフェスタ」や、
姉崎高校の「ものづくりコース」など、地域産業を知る機会づくりが行われています。
私は、こうした取り組みをさらに広げていけないだろうかと思います。
例えば、
中学生・高校生の企業見学や職業体験をもっと増やす。
学校と地元企業がもっと頻繁に交流する。
大学生と企業をつなぐ。
地元企業と転職希望者をマッチングする。
副業人材や専門人材を地域企業につなぐ。
後継者を探す企業と、経営に挑戦したい若者をつなぐ。
こうした仕組みは、まだまだ強化できるのではないでしょうか。
「市原にはこんな会社がある」
「こんな仕事がある」
「こんな技術者がいる」
まず子どもの頃から知ること。
そこから始まると思います。
市原の技術を、市原だけのものにしない
私は、市原市が全国トップクラスの工業都市であることを、
もっと多くの市民にも知ってもらいたいと思っています。
そして、企業側ももっと外へ発信していい。
市原から千葉へ。
千葉から日本へ。
そして、日本から世界へ。
日本の中小企業には素晴らしい技術があります。
しかし、素晴らしい技術も、知られなければ存在していないのと同じになってしまうことがあります。
だから、
守る。
継承する。
発信する。
そして、新しい技術も取り入れる。
この4つが必要なのではないでしょうか。
一人の百歩より、百人の一歩
地域の問題は、一人のスーパーマンだけでは解決できません。
企業。
社員。
学校。
子どもたち。
行政。
金融機関。
地域で暮らす人。
それぞれが、一歩ずつ進む。
私は、
「一人の百歩より、百人の一歩」
だと思っています。
地域で培われてきた技術や会社を次の世代へ残していく。
そして、その価値を地域から日本へ、日本から世界へ伝えていく。
市原市には、その可能性が十分にあると思います。
まずは私自身も、その一歩を踏み出していきたいと思います。
そして、このnoteでも、市原や日本各地で頑張っている企業、人、技術、地域の魅力を伝えていきます。
また、私も一市民ですが、市原市の地域活性をまだまだできると思っています。
市原市が日本の未来の光になれることを願っています。
市原市で地域活性をしたい!また行っている方も、
少しでも力を合わせていければと思っています!
日本サイコー!
よくある質問
Q. 市原市の製造業は全国で何位ですか?
市原市公式資料では、2020年の製造品出荷額等が全国市町村で第2位でした。
近年も全国トップクラスの製造都市です。最新の統計を見る際には、経済産業省「経済構造実態調査」
の調査年・出荷実績年を確認することが重要です。
Q. 中小製造業の人材不足には何が必要ですか?
求人だけではなく、自社の技術・仕事・社員・会社の目的をSNSなおで
外へ発信すること、学校との接点や職業体験を増やすこと、人材マッチングを強化すること、
AIやDXによって既存社員の生産性を高めることなどを組み合わせること。またシティープロモーションなどで、
もっと市内企業の魅力を発信することも有効でしょう。
あくまで私の考えです。
Q. AIは製造業の技術継承にも使えますか?
可能性があります。熟練者へのヒアリング、作業手順、過去のトラブル、
判断基準などをデジタル化・体系化し、若手教育を支援する活用例がすでに出ています。
まだ全国的には事例も少ないと思いますが、フィジカルAIなど
を先進的に活用することも行うことが大切と考えます。
Q. SNSは採用にも役立ちますか?
SNSだけで採用が成功するわけではありませんが、中小企業庁の調査でも、
SNSを活用する小規模事業者の方が採用実績が良い傾向が示されています。
特に、求人票だけでは伝えにくい会社の雰囲気や仕事の意味、働く人の姿を伝える手段として有効だと考えます。
参考資料
-
市原市「いちはら学」
-
市原市「令和3年経済センサス―活動調査(製造業)結果報告書」
-
経済産業省「経済構造実態調査」
-
中小企業庁「2025年版 中小企業白書・小規模企業白書」
-
中小企業庁「2026年版 中小企業白書」
石川博信
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