出口王仁三郎に学ぶ「人の本質」と「ミロクの世」のビジョン
公開日:
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最終更新日:2025/08/18
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数多くの偉人に学んできた中で、
いまだに底知れぬ奥深さを感じる人物の一人が、
出口王仁三郎(でぐち おにさぶろう)です。
彼は宗教家であり、芸術家であり、政治思想家でもありました。
しかし、単なる教祖や霊能者という枠には到底収まりきれない、
まさに「時代を越える知性と感性」を持った人物でした。
なぜ今、100年以上も前に活躍した彼の言葉が、
これほどまでに現代人の心に響くのでしょうか?
それは、彼が語ったことが「普遍の真理」だったからです。
今回は、出口王仁三郎という稀代の思想家が説いた
「人のあり方」と「ミロクの社会(理想郷)」について、
語ってみたいと思います。
人間の本質は「神の分霊」である
出口王仁三郎の思想の根底には、
「人間は皆、神の分霊(わけみたま)である」
という信仰があります。
これは、単なる宗教的な観念ではなく、
「すべての人間には、創造的で善なる力が備わっている」という、
人間賛歌とも言える思想です。
私たちは時として、自分の能力に限界を感じたり、
他人と比べて劣等感を抱いたりします。しかし、王仁三郎は言うのです。
「神は一人ひとりに使命を与えてこの世に遣わしている。
つまり、誰もが“尊い存在”として生まれてきているのだ」と。
この考え方は、現代の自己啓発にも通じます。
どんなに失敗や挫折を経験しても、「本来の自分」を信じ直すこと。
そこからすべてが始まるのです。
「惟神(かんながら)」という生き方
王仁三郎が強調したもう一つのキーワードが、「惟神(かんながら)」です。
これは、「神の御心のままに生きる」という意味です。
ここで言う神とは、単に宗教的な存在ではなく、
「宇宙の理(ことわり)」そのもの。
つまり、自然の流れ、人間関係の調和、時代の変化など、
「大いなる流れに逆らわず、調和して生きる」という生き方です。
私たちは時に、成功や欲望に駆られ、自分中心の視点で物事を見てしまいます。
しかし王仁三郎は、「すべての物事は、大いなる流れの中にある」と説きました。
だからこそ、逆境に見舞われたときは「これは自分に必要な試練なのだ」
と受け止める強さを持て。順境にあるときも、
「決して驕らず、他の人々と調和しながら歩め」と。
まさに、現代のVUCA時代(変化が激しく、不確実性の高い時代)
にこそ必要な智慧ではないでしょうか。
「ミロクの世」とは、競争ではなく共創の社会
出口王仁三郎が描いた理想の社会、それが「ミロクの世」です。
「弥勒」とは、仏教における未来仏であり、
「救済と調和の象徴」。王仁三郎にとっての「ミロクの世」とは、
単なる空想的なユートピアではなく、
「人間の意識が変容した先にある、真の共生社会」でした。
そこでは、経済的な格差や争いはなく、
人々が互いの違いを尊重し合い、利他の精神でつながる社会が実現される。
私はこのビジョンに、かつてないリアリティを感じます。
なぜなら、今まさに世界中で価値観が揺れ動き、
地球規模で「新しい秩序」が模索されているからです。
気候変動、分断、格差、戦争…。そうした時代において、
王仁三郎が描いた「ミロクの世」は、決して非現実的な幻想ではない。
むしろ、いま最も必要とされている「未来像」なのです。
芸術とユーモアの力
出口王仁三郎は、なんと5万点以上の書や絵画を残しています。
しかも、その多くが「人間の本質」や「宇宙の真理」を、
直感的に表現したもの。見る者の心に強く訴えかけてくるものばかりです。
特に面白いのが、彼がとてもユーモアに富んでいたという点です。
「神道の開祖」とも呼ばれる人物が、真顔で冗談を言い、
笑いを交えて弟子たちを導いていた。
これは私たちにとって、大きなヒントだと思います。
真理を説くとき、つい堅苦しくなりがちです。
しかし、本当に人の心を動かすものは、「温かさ」や「やわらかさ」の中にある。
王仁三郎のように、どこかユーモラスに、
そして大胆に「真理を遊ぶ」感覚を持てば、
私たちの生き方ももっと自由になれるのではないでしょうか。
本当の「成功」とは、魂の成熟である
現代社会では、成功とは「地位」「お金」「評価」
といった外的要素で測られがちです。
しかし、出口王仁三郎はそうは考えませんでした。
彼にとっての成功とは、「魂の成熟」だったのです。
つまり、人としてどれだけ優しさを持てたか、
どれだけ他人に奉仕できたか、どれだけ調和の心で生きられたか。
そこにこそ、本当の価値がある。
私はこの視点に、深く共感します。
どれだけ事業が拡大しても、
どれだけ社会的評価を得ても、そこに「魂の成長」がなければ、
やがて虚しさが訪れます。
逆に、どんなに小さな活動であっても、
「誰かのために」「世界のために」という気持ちで行動することができたなら、
それは確実に「魂の成功」なのです。
「すでにミロクの世は始まっている」
出口王仁三郎は、晩年にこう語ったそうです。
「ミロクの世は、どこか遠くにあるのではない。もう始まっているのだ」
この言葉を聞いたとき、私は強い衝撃を受けました。
私たちはつい、「理想の社会は、もっと先にある」「誰かが作ってくれる」
と考えがちです。しかし王仁三郎は、私たち一人ひとりの意識が変われば、
この瞬間からでも世界は変わるのだと説いたのです。
つまり、「ミロクの世」とは、外の世界に現れる前に、
私たちの心の中にまず生まれるものなのです。
まとめ 〜 今こそ「魂の時代」を生きる 〜
出口王仁三郎の思想は、宗教を超え、
ビジネスや社会変革にも通じる「人間学」です。
・人間の本質は、神の一部であること
・本当の成功とは、魂の成長であること
・理想の社会は、意識の転換から始まること
これらのメッセージは、
今の私たちが直面する混乱の時代にこそ、必要とされていると私は感じます。
「何のために生きるのか?」
「どうすれば社会をよりよくできるのか?」
「人としての本質とは何か?」
こうした問いに、正面から答えようとした出口王仁三郎という存在は、
これからますます注目されるべき人物でしょう。
そして私たち自身もまた、「ミロクの世」の担い手として、
小さくても確かな一歩を踏み出していきたい。
未来は、私たちの心が決める。
そのことを、私は王仁三郎の教えから何よりも強く学びました。

石川博信

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