偉人の仕事術 上杉鷹山 米沢藩を立て直した名君

公開日: : 最終更新日:2017/10/26 偉人伝 ものの見方

%e4%b8%8a%e6%9d%89%e9%b7%b9%e5%b1%b1財政危機を乗り越え米沢藩を立て直した上杉鷹山

江戸時代を通じて屈指の名君と後年言われるようになるが、歩んだ道のりは決して楽な道ではなかった。

戦国時代屈指の戦国武将であった上杉謙信からの流れを汲み、後継者上杉景勝の時代には関が原の戦いで

石田三成率いる西軍についたために、120万石から30万石へ減らされたものの、

120万石時代の家臣約6000人を召抱えており、家臣も上杉家に使えていることに誇りを持ち

家臣も離れようとはしなかった。しかも三代藩主の時にはさらに半分の15万石に減らされて

そのため財政は常に逼迫しており、さらに、重税を農民にかけていき農民自体が米沢藩から逃げていく

という事態が起きてしまう。さらに農民は食べられない世帯もあり子供を間引くという悪い習慣も

常態化していました。上杉鷹山の前の藩主はもういっそのこと、幕府に領地返還をしようと考えて

いた位で、大変厳しい状況、そんなときに上杉鷹山が藩主となった。

ここから藩政改革が始っていく。

まず、最初に行ったことは、

神社への奉納

・民の父母としての心掛けをすること

・学問・武術を怠らないこと

・質素倹約を忘れぬこと

・賞罰は正しく行うこと

これを奉送文として誓います。

改革として乗り出すことは、改革のために役人だけでなく領民まで問題を拡げて

有志の意見を取り入れるようにしたがこれが

上書箱というものであった。

匿名ではなく、百姓であっても名前や住所など明記すれば誰でも意見を出していいという制度。

そして、今回の改革の目標は民冨におく、という目標を明確にして

ただ、倹約してではなく、新しい需要を創らなければ成らないということで、

大倹約令と共に、産業の育成、農業の育成などを推進していきます。

大倹約令

では日常の食事は一汁一菜として、衣服は上等品の絹は用いず綿でつくられた質素なものとして

奥女中は50名から9名に減らしました。そして、帳簿を詳しくつくりなおして、細かく一つ一つ

見ていきます。これは藩主が贅沢をしないということで家臣そして領民へも浸透してやがて家風にもなっていく。

まず、支出を抑えようという政策ですね。そして次におこなったのは

産業の育成

米沢藩には特産品というものがなく、これを育成していくことに予算を掛けるようにしていきます。

大きな産業として「織物業」を推進して青芋(あおそ)を原材料に(これは直江兼続が推進していた)して絹織物

から養蚕へと発展させていきます。また、そのほかにも陶磁器や和紙なども産業育成に力を入れていきます。

そして出来上がったものを商人に売ってもらわないとならないのですが、京都や上方で売れる付加価値が

ついたものを選んでいきますが、商人も以前からの借り入れもあったが、協力を依頼して徐々に販売が

進むようになって行きます。

農業の推進

倹約と共に行ったことが農業開拓で、異例中の異例で藩主自ら鍬をとり耕していきます。

武士が農業をするということはありえませんでしたが、米沢藩では以降武士であっても

農業をするようになっていきます、家臣団一丸となって新田の開拓から道の整備、堤防の修復

など進めていきます。

飢饉に備えて生垣も食べられるものでお茶などを勧めて、また柿等実のなる樹木を植えることや

できる家には鯉など食べれる魚をかうことを推進します。

さらに、「かてもの」を推進しました。これは上杉鷹山が藩医に命じて

米、麦など主食以外に食べられるものや保存方法などを考案させて、藩の各家にそれを版木にして

配りました。主食で食べられるもの82種類をその食べ方や保存方法を詳しく書いてあり、

飢饉の際には大きく役立つことになります。さらに後年においては郷土料理として今に

息づくことになります。

改革の精神として

・無駄なことを排除して新しく仕事を創る。

・まず全員が実情を共通認識する

・各家臣団ごとに目標を立てる

・目標が達成できない場合には組織、人員変更を行い、意識改革を行う。

・信賞必罰を明確にする。たとえ重臣であっても改革に必要な場合は処罰する

・意見を活発にし、良い意見は身分を問わず重用すること

・無駄なしきたりをやめる

火種運動を起こせ

といった。これは、全員が心にもっている火種を炭につけて火がついたら他人に渡せ。

というものだった。これは、上杉鷹山が米沢に来たときは寒い冬だったが、

来る途中に焚き火をして一晩過ごしたが、灰ばかりになり、この国と同じで灰ばかりで何もないのか、、。

その際に、焚き火が消えそうになっているのでキセルでかき回すと小さな炭火があった。

実はまだ火は消えてなかったのだ。それを見ると鷹山はふうふう息を噴きかけてまた火を起こし始めた。

そうだ!とこのとき鷹山は気づきがあったという。そして

「皆もこの火種になってほしい、私もなる」といい、続けて

「皆、それぞれ胸の中に炭をもっていて火のついているものもいれば、そうでないものもいる。

もう既に火を持っているものは、火をもっていないものに火を配ってあげて欲しい。

そうすれば、この冷え切った米沢藩もきっと燃え上がる。私も率先して火種をおこすから

皆もそうしてほしい」と呼びかけた。

こうして、具体的な対策とともに、国中の人々に「藩の再建は役人の仕事ではくて

我々自身がやらなくてはならない」と領民も一体となり動き始めた。

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上杉鷹山像

人は本氣になればたいていのことはできる。

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有名な言葉ですね。元々は武田信玄の言葉で「成せば成る成さねば成らぬ何事も成らぬと捨つる人のはかなさ」

が原文でこれを規範にして創ったという。

倹約から新事業の開拓など一連の改革が実を結びついには貯金ができるくらい藩の財政は立ち直り

それだけでなく東北地方を襲った天明の大飢饉の際にも米沢藩は餓死者も少なく済んだという。

この鷹山の改革には元をたどせば直江兼続の改革がお手本にもなっていたという。

会津120万石から30万石へ減封されたときも、同じように殖産興業をし

家臣、領民のために勤めていたという。実はそれまで直江兼続は上杉家の逆臣といわれ

評価されていなかったが、鷹山が200回法要をすることで実績が見直されて藩内でも

賞賛が広がっていったという。

伝国の辞

一、国(藩)は先祖から子孫へ伝えられるものであり、我(藩主)の私物ではない。
一、領民は国(藩)に属しているものであり、我(藩主)の私物ではない。
一、国(藩)・国民(領民)のために存在・行動するのが君主(藩主)であり、“君主のために存在・行動する国・国民”ではない。
この三ヶ条を心に留め忘れることなきように。

これは藩主の座を渡すときに後継者である治広に伝えたという藩主の心構えだ。

上杉鷹山の実績はその後海外でも知られるようになる。

そのきっかけは一冊の本からであった。

 

 

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内村鑑三の書いた代表的日本人は欧米でも読まれた。

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内村鑑三のほかに西郷隆盛、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮が紹介されている

近年で上杉鷹山が有名になったきっかけは、やはりケネディ大統領の言葉で紹介されたことが大きいと思う。

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尊敬する日本人は上杉鷹山といっていた故ケネディ大統領

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ケネディ駐日大使も上杉鷹山を父であるケネディ大統領は尊敬していたと発言している。

はるか昔の物語のようだがこれは事実であり、藩政改革は色々な意味で現代に示唆を与えてくれる。

上杉鷹山は江戸時代を通じても名君中の名君といわれるが、

これほど無私奉公という殿様はいなかったであろうし、また無私な心が大きかったことで

懲罰を受けた家臣もいたが、それもやむを得ないとということになり

藩政も上手くいったのだろうと思う。

組織を預かる人は何かしら感じる部分があるのではないか?

そんなことを想い上杉鷹山を紹介いたしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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石川博信

石川博信

2009年ジーレックスジャパン株式会社創業。 日本の文化や歴史好き。小学校時代は通信簿で「オール1」をとったものの、家族や仲間、そして本の力で何とか社会人まで登り詰める。住宅メーカー(東証一部上場企業)出身で工務店支援事業を皮切りに、電子書籍事業などメディア事業も手掛けている。
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