空海:言霊の思想と日本宗教史における偉業
公開日:
:
最終更新日:2024/03/11
偉人伝 ものの見方
幼い頃から親しんできた弘法大師空海
鎌田東二先生の著書より
著者は徳島で育ち、幼い頃から空海に親しんできました。
従兄弟が真言宗の僧侶であったこともあり、
しかし、比叡山に住み、最澄について学ぶうちに、
空海よりも最澄こそが日本仏教界最大の人物ではないかと考え始め
空海の言霊思想:草木語問うと真言陀羅尼
本書「言霊の思想」では、
空海の言霊思想が詳細に解説されています。
著者は、空海の言霊思想が基層にあるのは「草木語問う」という
アニミズム的な言語意識であると指摘します。
そして、空海が密教から招来した「真言陀羅尼」の概念こそが、
二つの異なる言語意識を止揚し、
声の力と密教:空海の言語哲学
著者は、
『声字実相義』、『吽字義』、『秘密曼荼羅十住心論』、『
空海の主要著作は、言語論、意識論、身体論、
空海と真言宗:玉の声と身心変容技法
空海が24歳の時に著した『三教指帰』
に登場する「玉の声」という言葉は、
精神と身体に変化をもたらす「言霊」
そして、空海は真言宗を開いた最初の宗教家であり、
声を身心変容技法として認識し導入した人物であると指摘します。
真言の力:無明を除き、法如を証す
空海は『般若心経秘鍵』の中で、
「真言は不思議なり、観誦すれば無明を除く、一字に千里を含み、
と述べています。著者は、この言葉を引用し、
友清歓真の言霊論:音霊と笑い
本書の第十章では、友清歓真の言霊論が取り上げられています。
友清歓真は、大本に入信し、自ら新宗教「神道天行居」
彼は「言霊」から発展して「音霊」という考えを示しました。
著者は、友清歓真の思想を引用し、音霊と笑い、
赤ん坊の泣き声:最強の音霊
著者は、友清歓真の言葉を引用し、
「元気な子供の笑声ほど世に尊いものはあるまい」と述べます。
さらに、
著者への敬意と壮大な問い:言葉とは何か
膨大な先行研究を調査し、独自の言霊論を展開しました。
著者は、Tony氏の研究成果を評価し、「言葉とは何か」
神道・儒教・仏教と三つの書物
著者は、神道、儒教、
そして、それぞれの宗教を代表する書物として、『古事記』、『
まとめ
空海は、日本宗教史における最大の超天才であり、
言霊思想においても大きな功績を残しました。
本書は、空海の言霊思想を詳細に解説し、
そして、空海を言霊学の祖としたら
中興の祖であり言霊学をなしたのが、
世界で唯一、言霊学で博士号を取得した
京都大学、上智大学の名誉教授の鎌田先生。
今度の対談が楽しみです。

石川博信

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