松下幸之助が語る失敗とは。
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最終更新日:2025/12/01
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失敗したところでやめてしまうから失敗になる
「なんで自分だけ、こんなに失敗ばかりなんだろう」
そんな風に肩を落としたことは、きっと誰にでも一度や二度はあると思います。
僕自身、起業してからも、そして今も、思い通りにいかないことの連続です。
そんなときに、いつも思い出すのが松下幸之助さんのこの言葉です。
「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。
成功するところまで続ければそれは成功になる。」
言葉だけ聞けば、あまりにシンプルで、
少し極論にも聞こえるかもしれません。
でも、実際に事業をやっていると、この一言の重みが、年々ずっしりと染みてきます。
■ないない尽くしから始まった「経営の神様」
松下幸之助さんは、22歳で勤めていた電灯会社を辞めて、
たった一つのソケットから事業を始めました。ところがそのときの状態は、
・学歴もない
・財産もない
・身体も弱い
・家族の多くもすでに亡くしている
まさに「ないない尽くし」のスタートだったと言われます。
普通なら、「自分には何もない」「だからできない」
と考えてもおかしくない状況です。
ところが幸之助さんは、同じ現実をまったく逆に捉えました。
「学歴がなかったからこそ、素直に人から学ぶことができた」
「お金がなかったからこそ、一歩一歩、着実に進むしかなかった」
事実は一つですが、そこにどんな意味を与えるかは、
心の持ち方次第です。幸之助さんは「ない」という事実を、
「だからダメだ」の証拠にするのではなく、
「だからこそ伸びしろがある」という材料に変えていきました。
■失敗は「終わり」ではなく、プロセスにすぎない
僕らが「失敗した」と感じるとき、
「そこでやめてしまったとき」です。
仕事の企画が通らなかった、営業が断られた、新しい挑戦がうまくいかなかった…。
その瞬間を切り取れば、たしかに「失敗」に見えます。
でも、そこで終わりにせず、考え方ややり方を少し変えて、
もう一度、もう一歩と続けていけば、それはもはや「途中経過」に変わっていきます。
野球でも、三振してベンチに下がったときは失敗ですが、
シーズン全体で見れば、その三振も打率をつくる一部です。
大切なのは、「失敗」という言葉で自分の挑戦に
フタをしてしまわないことだと、僕は感じています。
■「続ける」ためには、やり方を変えてもいい
とはいえ、「続ければいい」と言われても、
現実には資金も時間も有限です。精神論だけで突っ走ればいい、という話ではありません。
ここでいう「成功するところまで続ける」というのは、
・同じやり方をただ根性で続ける
という意味ではなく、
・試し方や手段を変えながらも、目指す方向だけは手放さない
ということだと思うのです。
今もロングセラーの著書。
ビジネスモデルを変える、ターゲットを変える、仲間を変える。
時には、一度畳んで形を変えることもあるでしょう。
でも、「自分はこの分野で、人の役に立ちたい」
「こういう価値を世の中に届けたい」という芯の部分を持ち続ける限り、
それはまだ「途中」であり、終わりではありません。
■小さな成功体験を積み上げる
もう一つ大切なのは、「成功」のハードルを高くしすぎないことです。
いきなり大ホームランを狙うのではなく、
まずは「一人に喜んでもらえた」「前回よりも一歩前に進めた」
という小さな成功を、自分で認めてあげる。
小さな成功をちゃんと味わう人ほど、
「続ける力」が長続きします。逆に、大成功しか認めない人は、
いつも自分を「まだダメだ」と裁き続けることになり、心が持ちません。
松下幸之助さんも、最初から大企業の経営者だったわけではありません。
一つ一つの改良、一人一人のお客様からの信頼、
その積み重ねが、やがて「経営の神様」
と呼ばれるほどの結果を後からつくっていったのだと思います。
■失敗だらけの人生でいい
僕自身も、振り返れば、うまくいかなかったことの方が圧倒的に多いです。
企画が外れたこともありますし、見込みが甘くて資金繰りに悩んだこともあります。
人間関係で失敗したことも、挙げればきりがありません。
それでも、そこで完全にやめてしまわなかったからこそ、
今こうしてブログを書き、読んでくださるあなたと出会えています。
そう考えると、過去の「失敗」も、実はすべて、
今につながる通過点にすぎなかったのだと思えます。
もし今、何かがうまくいっていないと感じていたとしても、
それは「失敗した人生」ではなく、「物語の途中」にいるだけです。
ページを閉じるのか、もう一ページ先まで読み進めるのか。その選択権は、いつも自分の手の中にあります。
「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。」
この言葉を、今日のあなたの一歩を支える小さな灯として、
心のどこかに置いておいてもらえたら嬉しいです。
そして、いつの日か「続けてきてよかった」と笑える瞬間を、一緒に味わっていけたらと思います。
■今日からできる「続ける工夫」
最後に、「続ける」と決めても、三日坊主で終わらせないための、
簡単な工夫を三つだけ書いておきます。
一つ目は、「完璧よりも継続を優先する」と決めること。
ブログを書くにしても、事業の企画を練るにしても、
「完璧な状態になったら出そう」と思っていると、
いつまで経っても世の中には出ていきません。
まずは60点でいいからやってみる。
その代わり、続けることだけはやめない。
この順番を入れ替えないことです。
二つ目は、「仲間に宣言する」こと。
人は不思議なもので、自分との約束よりも、
人との約束の方を守ろうとする生き物です。
「このプロジェクトは必ず形にする」「このサービスでお客様に喜んでもらう」と、
近くの仲間や大切な人に宣言してしまう。
退路を少しだけ断つことで、踏ん張りがきく場面が増えてきます。
三つ目は、「失敗メモではなく成長メモをつける」こと。
うまくいかなかった点ばかりを書き連ねたノートは、
読み返すたびに自己嫌悪が強くなります。そうではなく、
「今日はここがうまくいった」「前よりもここが改善できた」というポイントを、
一日の終わりに三つだけメモしてみる。たったそれだけでも、
「自分は前に進んでいる」という感覚が育っていきます。
■人生は創作、だからこそ何度でも書き直せる
僕はいつも「人生は創作だ」と思っています。
一度書いた原稿を何度でも推敲できるように、
人生もまた、失敗や後悔を抱えながら、そのたびに書き直していける物語です。
今日までの自分がどれだけ失敗していても、
明日からのページはまだ真っ白です。そこにどんな物語を書くのか。
「失敗した」とそこでペンを置いてしまうのか、
それとも、にじんだインクごと味わいに変えて、もう一行を書き足すのか。
松下幸之助さんの言葉は、その選択を迫られたときに、
そっと背中を押してくれる一行のように感じています。
「成功するところまで続ければ、それは成功になる。」
この言葉を胸に、今日の一歩を、共に歩んでいきましょう。
石川博信
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